双極性気分障害、双極性感情障害という名称に違和感があるので調べてみた

双極性障害。

かつて躁うつ病と呼ばれていたこの病気にはいまだにいくつかの呼び名があります。

全部おなじ病気です

  • 躁うつ病
  • 双極性障害
  • 双極性感情障害
  • 双極性気分障害
  • 双極症

躁うつ病に関しては、先ほども言ったように、古い呼び名です。

うつ病と勘違いされることが多いという理由で、双極性障害という病名に変わりました。

この躁うつ病という病名は、「躁うつ病」だけでなく、「うつ病」も含めて使う場合もあったため、少々混乱を招いていた面もありました

躁うつ病の患者さんは、その時々の病相によって、「躁病です」と診断されたり、「うつ病です」と診断されたりしており、場合によっては再発の予防がしっかり行われず、病状が悪化してしまうこともありました。

引用:双極性障害 __躁うつ病への対処と治療

 

ほっしー
それにしても…双極性感情障害とか双極性気分障害とか聞いたことねぇぞ…

つーか…どんだけ呼び方あるんだよ…ややこしすぎ。

症状によって何か違いがあるのか? とか勘違いしてしまいますよね。

てなわけで、ちょっと調べてみました。

 

 

なぜか「双極性感情障害」「双極性気分障害」という言葉で検索されている

ブログを書くうえで私は、双極性障害1型とか2型とか、そっちばっかりに注目しちゃってたんです。

双極性感情障害とか、双極性気分障害とか言う言葉は聞いたことがない。

でも、Googleの検索ワードを調べるツールをつかってみると、検索されてるんですよ。

 

ほっしー
え、なんか間違った病名が流布してるんじゃねぇの!?

と思って、改めて正式名称? について調べてみることにしました。

病名を調べるのにどういった資料をみたらいいのかという問題ですが、ICDとDSMを見ればいいかなぁと思います。

 

 「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(以下「ICD」と略)」とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。

引用:厚生労働省

精神障害の診断と統計マニュアル(せいしんしょうがいのしんだんととうけいマニュアル、

英語: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM)は、精神障害の分類(英語版)のための共通言語と標準的な基準を提示するものであり、アメリカ精神医学会によって出版された書籍である。

DSMは当初、統計調査のために作成された。

DSMの第3版より、明確な診断基準を設けることで、精神科医間で精神障害の診断が異なるという診断の信頼性の問題に対応した。

DSMは、世界保健機関による疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)とともに、国際的に広く用いられている

引用:精神障害の診断と統計マニュアル

 

精神科医が診断をする際に参考にするマニュアル本みたいなやつだと思ってもらえればいいかと。

必ずしもそれに沿った診断をしているわけではないみたいなのですが、診断書を書くときに記述されているので、正式なものです。

 

初診時に書いてもらった診断書です。ICD…と書いてますね。

 

ICDには双極性感情障害という表記があるんですよねぇ。

基本分類表を抜粋してみましょう。

ちょっと見づらいですが、双極性障害ではなく双極性感情障害という言葉が使われているところにご注目ください。

気分[感情]障害(F30-F39)
F30  躁病エピソード
F30.0  軽躁病
F30.1  精神病症状を伴わない躁病
F30.2  精神病症状を伴う躁病
F30.8  その他の躁病エピソード
F30.9  躁病エピソード,詳細不明
F31  双極性感情障害<躁うつ病>
F31.0  双極性感情障害,現在軽躁病エピソード
F31.1  双極性感情障害,現在精神病症状を伴わない躁病エピソード
F31.2  双極性感情障害,現在精神病症状を伴う躁病エピソード
F31.3  双極性感情障害,現在軽症又は中等症のうつ病エピソード
F31.4  双極性感情障害,現在精神病症状を伴わない重症うつ病エピソード
F31.5  双極性感情障害,現在精神病症状を伴う重症うつ病エピソード
F31.6  双極性感情障害,現在混合性エピソード
F31.7  双極性感情障害,現在寛解中のもの
F31.8  その他の双極性感情障害
F31.9  双極性感情障害,詳細不明

ICD-10(2003年版)準拠 基本分類表 第5章より抜粋

 

診断書に双極性感情障害と書かれている人もいるので、「双極性感情障害」はとりあえず正式名称として認めてもよさそうです(笑)

 

DSMのほうでは、双極性障害以外の「双極性感情障害、双極性気分障害、双極症」といった言葉は見つけられません。

こうしてみると、正式に言葉として使われているのは2つだけってとこでしょうか。

  1. 双極性障害
  2. 双極性感情障害

 

気分障害という大きな枠組みの中にうつ病と気分障害がある

ちなみにICDの基本分類表を見ていると、気分障害という言葉は大きな枠組みだということが分かります。

私の担当医が「双極性障害だけでなく、気分障害という大きな枠組みで見ているので、レクサプロを処方しているかと言って処方が間違っているとは思わないでください」と言っていました。

双極性障害のひとなら分かると思うんですが、躁状態が誘発される可能性があるので、レクサプロ(抗うつ剤)の単剤投与は危険なんですよね。

 

最近ではこれらをひとまとめにして「気分障害」とか「感情障害」と呼ぶようになっています。これは、従来の躁うつ病をはじめ、気分変調障害、気分循環症を含んだものです。

引用:新版 うつ病の人の気持ちがわかる本

気分障害という大きな枠組みという言葉で伝わっているか不安なので図にしてみました。

 

気分障害という大きな枠組み

気分変調症とか気分循環性障害とかもありますが、とりあえずわかりやすく書いてみました。

現時点では、客観的な診断方法がないので大きな枠組みで見ているというのもまぁ仕方ないんでしょうね。

うつ病が血液検査でわかるかも? といった話も出てきているので、研究は進んでいるみたいです。

 

新しいDSM-5では、双極性障害とうつ病が別々のカテゴリとして扱われるようになりました

DSM-IVでは、うつ病と双極性障害が1つの章「気分障害」として扱われていましたが、DSM-5からは「うつ病」「気分障害」が別々の章として扱われています。

引用:ぷしこノート

 

ややこしいから統一してほしいよね

さてさて、双極性障害の名称について調べてみたわけですが…。

ほっしー
超分かりにくい。統一しろよ。

というのが素直な感想ですね。

 

それに、「気分」とか「感情」といった言葉はあまり使ってほしくない。

確かに気分が上下する病気ですが、気の持ちようみたいな誤解を受けそうじゃないですか。

うつ病よりも気分障害という名称のほうが、よっぽど気の持ちようっぽくないですか?

 

ここはもう単純に双極性障害に統一してほしいですな。

わかりやすいし、「気分」や「感情」といった単語も入ってないので。

ほっしー
むかしは躁うつ病と言われていた病なんですよ~!

 

と、わざわざ昔の病名を出さないといけないほど病名が定着していないのは、双極性感情障害やら双極性気分障害やら双極症やら…。

ややこしい病名がはびこってるからじゃないんですかね。