うつ病のサラリーマンが復職の不安と向き合って開き直った体験談

はじめまして。〝たぐ〟と申します。

僕は、現在うつ病で3ヶ月の休職をしており、もうすぐで復職が決まっています。

  • 復職…できるかな?
  • 復職が決まったけれど、不安でいっぱい…

うつ病で休職した方の多くが、復職が近づいてくると不安になると思います。

今回、自分の復職に対する不安な気持ちと、不安を払拭して復職に向けた開き直りができた体験談を投稿させていただきました。

復職には、勇気が必要です。背中を押してくれる言葉が欲しいです。

そんな思いから、自分の復職前の不安をさらけ出すとともに、復職の不安とどう向き合っていったかをお伝えする事で、少しでも、復職に自信を持って欲しいと考えたんです。

ごく平凡なサラリーマンのうつ病からの新たな出発に対する経験が、読者の方の参考になっていただければ幸いです。

 



医療職をしていたら、自分がうつ病の患者になっていた

僕は、リハビリを行う仕事(作業療法士)をしています。主な業務内容は、病院で入院している患者さんに、1対1で自宅に戻る為の運動や動作の練習を一緒にする事です。

仕事中は、リハビリをする専用の広い部屋や病棟で過ごし、患者さんにリハビリの目的を説明したり、世間話をしたり、他のサービス業と一緒で、患者さんとコミュニケーションをとりながらリハビリを行っているんですね。

現在務めている病院は、転職してから7ヶ月の病院になりますが、そのうち3ヶ月は休職をしているので、働いている期間は、実質4ヶ月になります。

医療職も、うつ病になるの?!と思われたかもしれませんね。もしそう思われたとしら、大きな誤解です。

医療業界では、約5%がうつや不安障害の傾向にあると言われています。

(※参考URL:医療安全推進者ネットワーク(日本医師会運営)http://www.medsafe.net/recent/122utsubyouyobou.html

つまり、僕はその5%の医療職で、患者さんのリハビリ治療に携わっていたら、いつの間にか自分がうつ病の患者になっていたんです。

 

2.うつ病を発病したきっかけは、対人関係のストレス

うつ病になる原因は、1つではないと思います。

色々な出来事が重なりあって発病に至ると考えていますが、自分の思い出せる限りでは、明らかに言動がおかしくなったきっかけがあるんです。

ある日、僕は、他のスタッフの代理で、自分の担当ではない患者さんのリハビリをする事になりました。70代後半から80代位に見える白髪の高齢者です。

 

高齢の患者さんは、その日、マスクをつけていました。「風邪気味ですか?」と挨拶もかねて話しかけると、全く返答がなく、2人で会話もないままリハビリ室に向かいました。

いつものようにリハビリ室に誘導し、いつものように運動を始める。すると、高齢の患者さんは、突然、僕にこう強くどなるような口調で言いました。

「ちゃんと、真面目にやってくれよ!!」

(…はっ?何言ってんだ、この人は?)

 

理不尽な難癖をつけられた気分を感じるとともに、どうにかその高齢者を怒らせないように、必死にマッサージをしたり、行っているリハビリの内容を説明したりしました。

怒らせないように、機嫌をとるように。自分の何に問題があったのか…。その場で考えていたら、心拍数は明らかに増えていく事を感じ、呼吸は浅くなっていました。

言われた事をいちいち気にする必要はない、ちゃんとやっている…。そう自分に言い聞かしてはみたものの、気持ちはより焦るばかり。

その焦っている様子が、おどおどして気に障ったのか、高齢の患者さんはさらに続けて、「やるのか、やらないのかはっきりしてくれ!中途半端がオレはいっちばん嫌いなんだ!」と、明らかに怒った口調で言いました。

 

結局、怒鳴られた理由に納得はいかないものの、自分が患者さんに申し訳ない事をしてしまったような気持ちと、強い口調で言われた事による対人恐怖だけが自分の中に残りました。

間の悪いことに、新しい職場で相談相手がおらず、不慣れな中で手探りで働いていた事もあり、転職と対人関係によるストレスが、余計に自分に傷をつけたのだと思います。

 

3.トラブルの日から、うつ病の症状を自覚し始める

思い返せば、その頃からです。

仕事中に、何をやっていても他のスタッフや患者さんの視線が気になり、自分が何か失敗を起こしそうな予感だとか、自分と関わった相手によく思われていないような不安にかられるようになったんです。

とにかく他人が怖い、職場にいる時は緊張しっぱなし。

意識が向いているのは、仕事の内容ではなく、「落ち着かなきゃ」と思っている自分の気持ち。

自分の気持ちを監視しているもう1人の自分が常にいるような感覚でした。

 

帰宅してからも、休みの日も、常に仕事が頭から離れず、不安や落ち着かない気分への焦りがずっと続くようになっていたんです。

食欲がなく、眠れない日が続きました。

職場では、人を避けるようになり、気づいたら昼休みはスマホが友達になっていました。

 

徐々に、患者さんの苦労話や世間話を聞くのも億劫になり、僕の中では、リハビリの1時間に渡る人との関わりが、耐えがたい精神的に苦痛な時間になっていました。

僕はこの症状が出始めた頃、実は「うつ病の症状だ」と察しがついていたんです。

というのも、20代の頃、1度うつ病を経験しており、当時も同じような症状に悩まされ、前の職場でも休職と復職の経験があったからです。

 

今の職場の上司には、うつ病の経験がある事を面接で説明していました。

なので、再びうつ病の症状が疑われた事、精神科を受診する事を報告して、公休日に精神科を受診しました。

 

4.精神科を受診し、服薬と休職による療養が始まる

精神科に受診すると、臨床心理士による1時間の問診の後、精神科医師の診察が行われました。

うつ病の経験がありましたし、訴えている症状が、1度目にうつ病を発病した時と似通っていた為、初診の時からうつ病と診断がつき、抗うつ薬と抗不安薬による服薬治療を開始する事になりました。

精神科を受診する時には、通院しながら働きたい意志を上司にも、精神科医にも伝えていたんですけれど、それは無理でした。

 

「すみません…どうしても体が動かなくて…」

毎朝、欠勤の電話を続ける日々…。

1日欠勤したところで、休養になんて一切なりません。

 

それどころか、休んだ罪悪感と翌日も仕事に行かなければならない義務感が、自分の不安と焦りにつながり、症状を悪化させるばかりでした。

1週間近く欠勤が続いた後、医師や上司と相談し、2ヶ月を目安に休職をする事になりました。

 

5.休職の日々のはじまり

「また、この日々が始まった…」

休職が決まった翌日の率直な思いは、そんなところです。

うつ病の薬は、効果が出るのに早くても2~3週間がかかります。

 

うつ病の再発だと、そういう知識が中途半端にあるので、先が予測できる事で、余計に辛く感じるところもありました。

休職が始まった当初は、午前中はベッドから動けませんでした。体が鉛のように重たい。

印象に残っている事は、ベッドの上に置いてある手を伸ばせば届く位置のスマートフォンに、左手を伸ばす事すら億劫でしかたがなかったです。

ようやくベッドから起きられた頃には、12時近くになっている事がほとんど。遅いブランチを食べて、薬を飲み、またベッドに横になる生活。

1週間に1度、精神科に受診に行くだけでも、外出が辛かったな。杖をついた高齢者よりも、歩くのが遅い…。

パタン、パタンと靴底全体を着いて歩いては、「はぁ…」という感じで。

苦しさ、悔しさ、辛さを感じる以上に、ただただ頭と体が重かった。

 

6.座って過ごせるようになった頃には、YouTube漬けの日々

服薬と休職による療養を始めて3週間ほどが経つと、リビングで座って過ごせるようになりました。

それからは、リビングでひたすらYouTubeのゲーム動画を見ました。幸い、ソファに座りながら、インターネットに繋いだテレビで、YouTubeを見れたんです。

当時、僕が見ていたYouTubeの動画は、RTA(リアルタイムアタック)と言われる類いの動画で、簡単に言えば、いかに早くゲームを達成できるかに挑戦したゲーム動画です。

 

例えば、「ドラクエ RTA」と検索するとドラクエ3の動画が出てきて、ゲームクリアまでの迷いのないルート、コマンド入力など、達人的な無駄のないプレイ動画をたくさん見ました。

今思うと、いち早くゴールするという目的がはっきりしていて、余計な無駄のない動画内容が、集中力や思考能力の低下したうつ病の頭には、見やすいものだったのかもしれません。

 

7.散歩ができるようになり、ドトールという居場所ができた

休職が始まり2ヶ月目に入ると、近所を散歩できるようになり、徐々に、夜に寝て、昼間に活動する生活リズムが、疲れやすいながらに整えられるようになってきました。

僕の代表的な1日は

  1. 午前中に簡単な家事をして
  2. ブログを書き
  3. 散歩をかねてドトールで昼食をとり
  4. 買い物をして夕飯を作る
そんな生活が1ヶ月くらい続き、休職期間の多くの時間をドトールで過ごしていました。

 

どれほどミラノサンドを食べたのか思い出せないくらいに。

ドトールで考え事をしたり、読書をしたり、ネットサーフィンをしたり。

家にいると寝てしまう可能性も高いですし、とにかく外に出られる喜びを感じつつ、自分の貴重な外出先を作れたのは、生活リズムを作るのに良かったと思うんです。

 

8.服薬以外に、自分との付き合い方を模索する

僕は、服薬とともに、自分でできるうつ病の治療方法や不安を軽減する方法を模索し始めました。

昔は、「うつ病は心の風邪」と表現される事もありましたが、風邪のように細菌やウィルスが体の中にいる訳ではないので、うつうつしたり、不安に陥った時の自分なりの対処法がないと、再発する可能性が高いように考えたからです。

試した中では、自分に合う方法としては、認知行動療法、瞑想、ハーブティーがありました。

 

うつ病の回復期は、とにかく毎日の気分の変動が激しかったです。生きる喜びを感じた数分後に、死にたくなったり。

何か嫌な思いをした時に、偏った考えで自分で自分自身を傷つけない為に、認知行動療法は役に立ちました。

うつうつした、不安になった時に、ペンとノートを使い、自分がなぜそういった気分に感じたのかを振り返る練習をしました(もちろん、ドトールで)。

 

瞑想やハーブティーは、いかにして夜にリラックスして眠れるかに役だった対処方法です。

僕の場合は、昼間の活動的な状態が抑える事ができずに、夜まで頭が冴え渡って眠れない事が多かったんです。

睡眠薬を使うほど眠れていない訳ではなかったので、眠る前のリラックスした頭と体を作ろうと思って試した結果が、瞑想やハーブティーでした。

 

睡眠薬のように、使ってすぐに眠れる方法ではないですが、冴え渡った頭の興奮を静め、眠りやすい状況を作れたと感じています。

正直言うと、ハーブティーは嫌いでした。酸味が強くて、男子は苦手じゃない?

でも、眠りに良いとされるカモミールティーは、非常に飲みやすかったです。

まさか、自分がカモミールティー(ハーブティー)にこだわる日が来るとは、思ってもみませんでした。

 

9.2ヶ月の休職期間を3ヶ月に延長する

当初、休職の期間は2ヶ月と目安を立てていたのですが、2ヶ月が経過する頃、まだ働く意欲が湧かなかった事と働く不安が強かったため、1ヶ月休職期間を延長する事にしました。

いま復職したら、再発しに行くようなもんだ…

そんな考えが自分の中にはっきりと感じられ、勇気を持って医師や上司に素直に伝えました。

ちなみに、今の職場は、転職して間もない職場だったので、僕が取得できる最大の休職期間は3ヶ月だったんです。3ヶ月を過ぎて復職できないと、解雇となってしまう状況です。

 

10.復職に対する不安の内容をはっきりさせる

では、残りの1ヶ月間に何をしていたかというと、自分が復職に対して抱いている不安を整理し、はっきりさせる事にしたんです。

ある晩、僕は、復職に対して抱いている不安や思っている事をノートに書き殴ってみました。

このままじゃいけない?とでも思ったのかな?

 

そのノートに書いた事の要点は、「他人の目が怖い」という事、「他人とコミュニケーションを取ることが怖い」という事でした。

リハビリという患者さんと1対1の関わりの中での失敗体験をきっかけに、うつ病の症状を自覚し始めた僕は、人と関わっていく事に、不安を抱えるようになっていたのです。

もう、この職業でやっていけないのかな?そんな不安さえあります。

リハビリという職種の都合上、他の部署に異動するという事ができないんですよね。

 

11.復職の不安とどう向き合い、開き直ったか

自分の不安に感じている事に向き合う作業は、とても勇気がいります。

だって、できればそっとしておきたい事ですよね?

逆に言うと、復職に対する不安に向き合おうとする事ができたのは、復職の準備ができたと、自分が教えてくれたのかもしれません。

 

僕が復職の不安とどう向き合い、開き直ったのかというと、率直に言えば、自分が不安に感じていた人との関わりやコミュニケーションが苦手だという事を自分で認める事にしたんです。

そしたら、気持ちが楽になったんです。

実は今まで、コミュニケーションは自分の武器だと思っていました。

 

新人の頃からコミュニケーションのノウハウを勉強し、前の職場では患者さんからも、後輩や部下や上司からも、高いコミュニケーション能力を評価されていたからです。

自分で言うかと思うくらい、それだけコミュニケーションが自分の武器の1つと考えていたんですよね。

でも、違いました。

 

新人の頃を思い返してみると、元々、コミュニケーションが苦手だから、コミュニケーションを勉強し始めたことを思い出したんです。

人に合わせるとか、人が言わんとする事を質問で引き出すとか、人に興味を持つとか

学生時代から、勉強は1人で黙々と調べながら行うのが好きでしたし、人の買い物に付き合わされるような集団行動は苦手なんです。

つまり、得意・武器と思っていた人との関わりやコミュニケーションって、実は僕にとって、無理してじゃないとできない、苦手な事だったんですよね。

 

自分が苦手で、でも勉強して取り繕っていた部分もあって、本当はコミュニケーションがすごく苦手だった事実を認める事ができました。

今まで、自分が人との関わりやコミュニケーションが苦手でストレスに感じていた事に気づき、認められなかったのは、認めてしまうと、今のコミュニケーションを必要とする仕事に戻れないと思っていたからなんだと思います。

でも、別にコミュニケーションが苦手であっても、リハビリが全くできなくなってしまう訳ではないし、他の部分で患者さんの為にできる事はたくさんある。

 

苦手な部分を克服しようと頑張るのをやめたら、苦手な事で失敗しても「もーしょうがない」と開き直れたんです。

開き直れたら、もう一回仕事に戻ってみようかなって思えるようになりました。

そして、自分が苦手な事が仕事には必要なんだけれど、それが全てではないし、もしも苦手なコミュニケーションで失敗しても、もう苦手な事で自分を責めるのをやめようと考えたんです。

 

自分のこだわっている部分で傷つくのは自分の為になりそうだけれど、苦手な事で失敗して、自分を責めて傷つけるなんておもしろくないじゃない?

復職をして、やっぱり今の仕事が無理そうなら、それは、その時考える事にして、やっぱり無理なら、潔く違う人生を歩むのも有りだな。

今は、復職1週間前。

気楽な気持ちでそう思えるようになりました。

 

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新卒でIT企業に就職 → 半年でうつ病 → フリーランス。

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