「うつを甘くみてました」を読んだ感想

うつを甘く見てました

うつ病ブロガーとして、共感しながらも新しい事実があったりして、とても面白く読めました。

ほぼ全てがマンガなので、疲れることなくサクッと読み終えられた。

活字が苦手な人でも読める、当事者体験記になってます。

この記事ではこの本にしかない良さと、私がすごく共感したところをピックアップしてお伝えします。

「うつを甘くみてました」にしかない良さ

1.文字ではなく、漫画だから何度でも読み返せる

漫画は1ページにおける情報量が文字よりも圧倒的に多いです。

それなのに、読み手にレベルの高さを求めない。

つまり、ぎっしり詰まった情報でありながら、うつ状態でも読めるってこと。

ここは情報を求めつつも、なかなか頭に入らないうつ患者にとってありがたいですよね。

 

筆者はうつ病ではなく双極性障害2型ですが、双極性障害特有のエピソードはこれといってないのではないかと思います。

全メンタル疾患者、また、それに関わる人が勉強になったり共感できる物語構成になってましたよ。

 

2.重いエピソードも「かわいい猫のキャラクター」によって柔らかく読める


ぶっちゃけ、この本に書かれてるエピソードはかなり重いですw

もし私が同じ体験をしたならば、人生を終わらせちゃったかも…。

そう思うぐらいに過酷で、重く、苦しいエピソードが載せられてます。

 

うぐぐ…と心が重くなるシーンもあるのですが、「まぁ、猫だしな…。」と思えば、なんとか読めます(笑)

ほっしー
重すぎて読めない! と思った場合は、飛ばしちゃってもたぶん大丈夫。

中盤〜後半〜はそれほど重くない内容になってるよ!

 

3.共感エピソードにチェックを入れる楽しさ

このエピソード共感したよ!と思ったらチェックを入れられます。

これ面白い使い方として、数ヶ月ごとに読み返して

ほっしー
え!以前の自分はここに共感してたのか!

と思える楽しさがあるでしょうね。

 

その時の自分と比較して、良くなったり悪くなったりがわかるんじゃないかと。

こういう使い方ができるメンタル疾患者向けの本って、今までにないタイプなので面白い!

 

ちなみに共感したシーンをスマホでパシャってSNSにアップしても良いと本に書いてあります。

著者のブリ猫さん、さすが情報発信をしてるだけのことはあるなと思いました(笑)

ほっしー共感エピソード

1.家族のなんとかしてあげようとする気持ちが逆に…

うつを差別したり、否定的な態度を取ることはもはや論外…なわけですが献身的な家族も厄介だったりします。

なんとかしてあげようとすることが余計なお世話でプレッシャーがかかってしまう。

ここを理解してもらうことは容易なことではない。

マンガの家族のように、カウンセリングを受けてくれたりすると楽なんですけどね。

 

人間は権威に弱いので、たとえ家族でも素人の意見だと聞き入れないんですよw

精神科医や臨床心理士の言葉ならスッと受け入れる事が多い。

特に年配の人であると地位や名誉にこだわりを持っている人が多いのでこの傾向が強いです。

ほっしー
まー個人的には、自分の主治医に親を合わせたくない気持ちのほうが大きいけどな…w

それが平気な人は会わせたほうがいいと思うよ!

 

もういっちょ付け加えておきましょう。

うつ病を理解してもらえてるな…と感じるのは、主観によるところが大きいと思います。

本当の意味で理解するのは、当事者同士でも無理なんですよ。

 

これはネガティブな話ではなくて、無理という前提で拒絶されないだけマシかなと思えればラッキーということ。

この考え方になってから私は、人生がグッと楽になりました。

 

2.暗い体験談や、重たいメッセージのあるサイトは読むべきじゃない

うちのブログ、メンタルハックでは、読後感ポジティブを意識して書いてます。

暗い話題でも、私なりの解決策を提示することで

男性
なるほどーこういう答えがあるのか

と、考えてもらえるように。

 

ただ、メンタル疾患を扱った体験記サイトってただ暗いだけで終わってるところ多いんですよ。

そういうサイトは、有害とすら思ってます。絶対にシャットアウト。

無理にポジティブになる必要はないですが、ネガティブに染まりすぎることだけはNG。不幸慣れするといいことないです。

 

3.心の病ではなく脳の病

ブリさんの中にいる本当のブリさんを壊してしまう「うつ」…というのは

「心の病」ではなくて命をも奪う

恐ろしい「脳の病」なんです

納得したい…部分ではあるんですが、半分共感で半分違うかなというのが個人的な意見です。

もちろんこの白衣を着た美人猫さんは専門家なので、この方が言ってることのほうが正しい可能性が高いでしょう。

私が間違っているかもしれないという前提で言わせていただくと、「脳の病の時期」と「心の病の時期」があると考えてます。

ほっしー
完全に脳の病気やぁ!って言いたいところだけど、薬だけじゃ社会生活に戻れないことを考えるとどうしても…さ…。

 

4.治すではなく、病気と付き合っていく

筆者は双極性障害のようなので、治すよりも付き合っていくという考え方が重要になっているんだと思います。

うつ病の場合は、治るという希望を持っていても良いのではないかと。

双極性障害のように寛解を目指すという形ではなく、症状が収まったら減薬を目指す。

たぶんほとんどの専門家は、上の枠の意見に納得すると思います。

男性
じゃあ、ぼくはうつ病だから…治るって希望もっていいんだね!
ほっしー
個人的にはその考え方はオススメしないよ〜

あくまで素人意見ですが、うつ病の人も付き合っていくという感覚を持ったほうがいいです。

 

以下の図のように、うつ病も長期的に見ると回復していってるものの、短期的には落ちる期間もあります。

ほっしー
回復したんじゃね!と思ったら、急に裏切られた気持ちになるやつあるやん?

1年以内に治るって書いてる本が多いですが、私のとったアンケートではもっと長期化してる人が多いです。

うつ病と診断出てるけど実は非定型タイプだったというパターンが最近は多いと医師のページにも書いてあったので、関係あるかもしれません。

 

本に書いてあるような、典型的なうつ病よりも、よーわからん特殊タイプが増えてきた…ってことで長期化する傾向にあるようです。

というわけで、個人的には治すよりも付き合っていくというのは全メンタル疾患持ちの人が持つべき考えだと私は思ってます。

 

5.絶対にシェアしておかねばならないと思った箇所:自立支援医療制度について

何度書いても書き足りないほど…。ここは絶対にシェアしておかねばならない。

自立支援医療制度は役所に申請出せば簡単に通るのに、知らなくてやってない人多いんですよね…。

本当に損するので、まだやってない人はすぐにでもやってほしい。

ほっしー
ほかにも受けられる制度はたくさんあるよ

さいごにまとめ

  • ほぼ全ページがマンガで読者に優しい(何度も読み返せる)
  • 重いエピソードも猫によって柔らかく読める
  • ✅を入れるところがあるという独自性

患者の家族の苦闘も描かれているので、周りにうつ病の人が居てなかなか理解してあげられない…って人にもオススメできるんですよねぇ。

治療成功本、復活物語ではないところも、いま現在苦しんでいる人たちに寄り添える内容になっているかと。

マンガだから読み返しやすいので、迷った時に手軽に参考にする本として、お手元に1冊持っておくことをオススメします。

うつを甘く見てました

心理学やメンタルハック(心の分析、改善)が大好き。

新卒でIT企業に就職 → 半年でうつ病 → フリーランス。

ブログを仕事にして(最高45万PV)お金を稼ぎつつ、本を読み漁ってます。

#うつマッピングの著者です。

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