抗うつ剤はプラセボ効果じゃない!という人はプラセボをバカにしすぎ

どうも、双極性障害と戦うブロガー星野 良輔(@hossy_FE_AP)です。

抗うつ剤がプラセボという記事、なにげによく読まれているんですよ。

本に書いてあった研究結果が面白いのでもう一度記述しておきましょうか。

コネティカット大学のアービン・キルシュ臨床研究員は、最近驚くべき調査結果を公表した。

キルシュは、FDA(食品医薬品局)が保管する抗うつ薬の臨床試験データの公開請求をし、その精査を行った。 十三年間にわたる臨床試験データを調べた結果、五六%の研究で、代表的な六種類の抗うつ薬について、服用した場合の改善率が、プラセボ(偽薬)を服用していた場合の改善率と差がないことがわかったというのである。

こうしたデータは、これまで公表されてこなかった。

もちろん、残りの四四%の研究で、有意な差を認めたから、抗うつ薬はFDAから認可を受けているわけであるが、抗うつ薬の有効性自体は揺るがないとしても、その程度や評価は、信じられているほど明白なものではないということである。

「差」がなかったということは、抗うつ薬が「効かない」というよりも、「偽薬」で効果があったケースが多かったということでもある。

ことに軽症のケースでは、「偽薬」がよく効いたのである。 キルシュはデータを解析した結果、改善効果の八〇%は、プラセボ効果による心理的効果であると結論づけている。

うつの症状を五十点満点で評価したとき、抗うつ薬による改善効果は、およそ十点であったが、薬理的な効果による部分は、そのうちの、わずか二点だというのである。

引用:うつと気分障害

「抗うつ剤として効果が認められない」

つまり、薬で治ったと思っているあなたも、実は「この薬を飲んだら治るんだ!」と思って飲んでいたら治ったというプラセボ効果の可能性が高いわけです。

でも、それの何が悪いんでしょうか?

ある意味、自己治癒力で治したわけですから、私は嬉しいですけどw

 

なかにはこの考え方が気に入らない人もいるようで、数名から「抗うつ剤はプラセボじゃありません」と言われました。

プラセボかプラセボじゃないかと言われれば、80%はプラセボ効果だと研究結果がでている以上、プラセボ効果の可能性は高いでしょう。

でも、あなたがプラセボじゃねえよ!効いてるよ!と心から信じられるならそれでいいんですよw

 

それにしても、プラセボ効果と言われて怒る人は、プラセボをバカにし過ぎだと思いますよ。

「思い込み」の力。これをバカにしちゃダメです。

 

 

事実は事実として知っておくべき

それならばわざわざ「抗うつ剤はプラセボだから」なんて書かなくていいじゃないか!

とも言われそうなのですが、事実は事実として知っておいたほうがいいと思いませんか?

抗うつ薬は、二十六歳から六十四歳の年齢層では、もっとも安全に、もっともメリットを多く使うことができるが、それ以上年齢が下がっても、上がっても、リスクが増え、効果が得にくくなる。

リスクに対する効果の期待値が最も低いのが、十二歳以下の子どもであり、児童のケースでは、自殺の危険がかえって上がってしまう。そのため、治療者はしばしば強いジレンマに陥る。

引用:うつと気分障害

抗うつ剤が効きにくい、80%ほどがプラセボという研究結果もあるという事実を知っていれば、仮に効かなかったとしてもそれを嘆く必要はないわけです。

例えば以下のツイート。

もし彼が80%のプラセボ群に入っていたとしたら、これから先も抗うつ剤が効くことはまずないと言えるでしょう。

プラセボというのは「効かない」という意味ではなく「薬自体に効果はないはずだけど、信じる心が薬の効果を発揮した」ということです。

つまり、抗うつ剤に対する知識不足で効くはずなのに自分には効かない……と思っていると効かない。

もし、抗うつ剤はむしろ効かないことのほうが多いと知っていれば、もっと違うアプローチの治療法に挑戦してみることもできますからね。

馬鹿にできないプラセボ効果

アメリカのアーロン・ベックという精神科医は、うつ病の患者を治療するなかで、彼らが実際以上に物事を悲観的に考えていることに気づいた。

自分のことを悲観的に考えているだけでなく、世界や未来に対する考えも、悲観的に歪められていた。

ベックは、この過度に悲観的な考え方が、そもそも彼らを苦しめている原因ではないのかと思うようになった。

そうした悲観的な考えが本当に根拠のある現実的なものなのか、ベックは患者と一つ一つ検討してみることにした。

 

そうすると、患者は自分の考えが、事実に反していることを認めざるを得なくなり、過度に悪いほうに思い込んでいたことを自覚するようになった。

すると、うつ病の症状にも改善がみられたのである。

こうした経験から、ベックは不適応の要因として、受け止め方や思い込みの要素が小さくないことを認識するようになり、その部分に働きかける治療を行うようになった。

それが今日認知療法として行われている治療法に発展する。うつだけでなく、さまざまな適応上の問題にも効果があることがわかってきた。

 

引用:ストレスと適応障害 つらい時期を乗り越える技術

プラセボ効果はご存知の通り思い込みのことですが、認知行動療法なんか思い込みの修正作業ですよね。

つまり、「思い込む力」を医療が取り入れているということにもなります。

双極性障害には認知行動療法が最も効果的!?

2016.07.05

引用した文にもあるように、精神疾患となってうつ状態となると、悲観的になってしまいます。

もう超悲観的ですよ。雨が降っただけでも、あー自分が悪いのかななんて思ってしまう始末。

これは病気だから仕方ないという部分もあるのですが、ネガティブ思考に慣れると、それがいけないことだということも忘れてしまいます。

 

それほどまでに、人の思い込む力というのは恐ろしいものです。

正しく使えば夢の実現のための原動力となることは間違いないのですが、ついネガティブに使ってしまう。

日本では敬遠されがちですが、スピリチュアルなところにこそ、精神疾患を治すヒントがあると私は考えてます。

人間の存在自体が科学的ではない

科学的には「抗鬱剤の80%はプラセボである」という有効な結論が出た以上、それは「事実の1つ」として知っておくべきなのです。

しかし、人間自体がほとんど解明されていないので、それが全てではない。

 

うん、やっぱり、私たちはもっと人間の神秘的な力にかけてみる必要がありそうですよね。

プラセボ効果はもっと研究されるべき

プラセボ効果は思い込みだよねw

と軽視されがちですが、治癒力があるならそれはちゃんと調べるべきじゃないですかね。

プラセボ効果について考察された本でオススメのものがあります。

抗うつ剤に関して懐疑的な方はぜひ読んでいただきたい。

測定できる物質的なものに集中するあまり、心が持つ実体のない効果を、二の次にするようになってしまったのだ。

この弱点のせいで、「思考や信仰には人を癒す効果がある」という考え方は、スピリチュアルな夢想家から世間ずれした商売人にいたるまで、あらゆる人たちに乗っ取られた。科学的な根拠は無視され、ひどく歪められてしまっている。

(中略)

プラセボ効果は、うつ病や不安、依存症など精神障害に対し、特に強く出るらしい。

実際、そういったものこそ、多くの精神治療薬の主要な作用機序なのかもしれない。