どうも、双極性障害と戦うブロガー星野 良輔(@HossyMentalHack)です。
精神疾患でもなく、2ちゃんねらーでもない人が、平然と「メンヘラ」という言葉を使うようになっています。
まぁその言葉自体を使うなとは言いませんが、「純粋なメンヘラ?w」としてはあまり気持ちのよいものではありません。
「メンヘラ」ってそもそもなに?というところから考えてみましょう。
「メンヘラの定義ってそもそもなに?」っていってる人はいわゆるメンヘラが多いですよね。健常者からしてみたらめんどくさそーなやつは「メンヘラ」っていってるように見えますが、いわゆる「メンヘラたち」は自分たちがナニモノであるのか?ということにこだわってメンヘラの定義を語るように見える。
— 星野 良輔 (@hossy_fe_ap) 2016年10月2日
ちなみに私自身は「メンヘラの定義は不可能」だと思ってます。成り立ちはただの差別用語で、それがファッション化+コモディティ化してしまったので、定義もクソももう、完全にひとり歩きしてる。「メンヘラはメンヘラなんだよ」ってことでふわ~っとしてていいんじゃないっすかね。
— 星野 良輔 (@hossy_fe_ap) 2016年10月2日
「メンヘラ」が最初に使われだしたのは2ちゃんねる
メンヘラとは、2ちゃんねるのメンタルヘルス板にいるような人間のこと。ネットスラング。
またそれが転じて、心に病気を患った人を指す。
引用:ニコニコ大百科
メンヘラという言葉がいったいいつから使われ出したかを知るために、教えてgooとYahoo知恵袋を検索したところ、2004年7月には2ちゃんのメンヘル版のことが話題になっており、2005年にようやくメンヘラという言葉が使われ意味を聞く質問が出てくる。
— 余り四つ (@minivespa)
私の記憶が正しければ、メンヘラの前にメンヘルとか、メンヘラーとか会ったような気がします。
いずれにしても、発祥が2ちゃんねるとなると、そう気軽に使っていい言葉ではないということがわかるかと思います。
健常者はどのような感覚で使うのか知りませんが、ネットスラングなので差別的な意味合いも含めるということを覚えておきましょう。
メンヘラに最も近い医学的定義は境界性パーソナリティ障害
「メンヘラ」と一番近い医学的定義は、このⅡ軸の「パーソナリティ障害」である。
(中略)
パーソナリティとはその人の「人格」そのものであり「人格とはその人の生の歴史そのものである」からである。
ここから導かれる明白な疑問は「人格は治療の対象として扱うべきなのか」である。
しかし、現代のように日本でも、一つの例としては、虐待などを受けて育ってきた人などは、社会に出たときに、社会に適合することが難しく、その結果ストレスがたまり、「Ⅰ軸」の精神病のような症状を発症することがあり、そのときは当然治療対象となる。
引用:ニコニコ大百科
境界性パーソナリティ障害は、どちらかと言うとその人の「個性」という捉え方をする医師もいるようです。
もちろん、生活に支障があるようならば、治療の対象となります。
そもそも、境界性パーソナリティ障害はどのように診断されるのか?
対人関係、自己像、感情などの不安定性及び著しい衝動性の広範な様式で、成人期早期までに始まり、 種々の状況で明らかになる。 以下のうち 5 つ(或いはそれ以上)によって示される。
- 現実的に、又は想像の中で見捨てられることを避けようとする なりふりかまわない努力
- 理想化とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい 対人関係様式
- 同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像又は自己感
- 自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも 2 つの領域に亘るもの
- 自殺の行動、そぶり、脅し、又は自傷行為の繰り返し
- 顕著な気分反応性による感情不安定性
- 慢性的な空虚感
- 不適切で激しい怒り、又は怒りの制御の困難
- 一過性のストレス関連性の妄想性観念、又は重篤な解離性症状
私は精神障害者ですが、境界性パーソナリティ障害については
ぐらいの知識しかありませんが、診断基準を見ても、境界性パーソナリティ障害とひとくくりにしていますが中身は多種多様ですよね。
とても、これが境界性パーソナリティ障害だ!と説明がつくものがありません。ただ……
- 現実的に、又は想像の中で見捨てられることを避けようとする なりふりかまわない努力
- 理想化とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい 対人関係様式
- 自殺の行動、そぶり、脅し、又は自傷行為の繰り返し
このあたりを見ていると、「THEメンヘラ」といった印象を受けますね。
おそらくここが目立つので、メンヘラといえば境界性パーソナリティ障害でしょー!という話になっているんだと思います。
ちなみに、記事を書きながら境界性パーソナリティ障害のことについて調べていると、この本をおすすめする人が多かったので興味のある人はどうぞ。
私はお先にポチッとしました。
定義が曖昧になってきたぞ?
まぁ……そうですね。私自身が精神障害者であり、Twitterで多くの精神障害者と関わらせていただいてますが……。
「ネットで揶揄されるメンヘラ」の形に最も近いのはやはり、境界性パーソナリティ障害の方なのかなと思います。
しかし、「メンヘラ」の言葉の成り立ちを考えれば、もっと広い意味でメンヘラが捉えられています。
うつ病や双極性障害といった気分障害の人も心の病ですから、一緒くたにメンヘラという扱いになりますよね。
境界性パーソナリティ障害だけに絞ってメンヘラという言葉を使うのは、意味が狭すぎてあまり使い物にならなくなるのでは?という気持ちと、差別的な意味合いが含まれているので、境界性パーソナリティ障害=メンヘラという考え方も、危険なような気もします。
なにより境界性パーソナリティ障害患者本人がめちゃくちゃ気分悪いでしょうよ。
健常者と精神障害者でメンヘラの捉え方が違う
残念なことに、メンヘラとはなにか?と深く考えるのは精神障害者だけだと思いますw
おそらく健常者は
といったように「心の病=メンヘラ」と単調に捉えていることでしょう。
私自身も精神科に通うまではそうでしたから(笑)
一方で精神障害者は、メンヘラとは単純に心の病のひとを指すのか、それとももっと狭い意味合いで、◯◯病の人のことを言っているのか?と考えます。
心の病と一口に言っても、本当に十人十色なので、悲しい話ですが◯◯病のひととは関わらないほうがいいといった村八分的なことがこっそりと起きていたりします。
ちなみに私の病、双極性障害も、躁状態になるとキチガイだといわれるので、警戒されることが多いですね(笑)
それから、リストカットやオーバードーズ(薬の多量摂取)の経験がないとメンヘラとしては認められないという謎の宗教のような考え方をしているひとがいることも事実です。
いわば、アメリカ人が
アジア人はアジア人だろ?一緒じゃね?a-ha?
メンヘラって、ほんとに定義できんの?
そう、そしてここに行き着きました。
メンヘラってそもそも定義できなくね?と。
- 広い意味で病んでいるひとを指すのか?
- 狭い意味で境界性パーソナリティ障害を指すのか?
- 歴史的背景から差別用語としての意味合いは含まれるのか?
- リスカ、ODをしているかどうかは大切?
あと、ネットを見ていて気になるのは、「メンヘラ彼女」と「ヤンデレ彼女」なんか超曖昧ですよ。
普通に病んでいるだけなら「メンヘラ彼女」ですが、例えば男性側が女性とLINEしただけで、文字通り殺されそうになったら「ヤンデレ彼女」です。
ただでさえ、定義曖昧なくせに、他に言葉が多すぎんだよ。
夢かわいいとかもありますよ。もう意味わかりません。
心病んでなかったら、厨二病とかもおそらく近い関係と言えるでしょう。
そんなこんなで、メンヘラを定義することは無理ですね。
メンヘラは差別的用語のはずが、ファッション化してきている
メンヘラについて調べていると、面白い記事がありました。
①ネットスラングで「メンヘラ」って言葉あるけど、②最近カジュアルに使われすぎで、③いろんな意味合いで使われてるし、④商品とか出てきて消費の対象にもなってるし、⑤着たり脱いだりできるファッションみたいに扱われてるし、⑥オワコンになりそうだよね
引用:落ち着けMONOLOG
ただちょっと書いてあることが難しいので噛み砕いていきましょう。
冒頭にも述べたように、健常者がちょっとさみしくなっただけで
軽々しく?メンヘラという言葉を使います。
おそらく、歴史的な背景までは考えずに、みんなが使っているから使うということなのでしょう。
私も、ブログを読んでもらうためにあえて「メンヘラ」という言葉を使いますが、年長者ほどこの「メンヘラ」という単語に過剰反応します。
- メンヘラという言葉を使わないでください。
- メンヘラの意味を知っていますか?知っていたらわざわざ使いませんよね?
- 自分で自分を傷つけていることになるのですよ?
逆に、若い人ほど、メンヘラという言葉に抵抗がないように思います。
これはある意味で、大衆化してきた、ファッション化してきたと言うものではないでしょうか?
メンヘラという言葉がファッション化するとどうなるのか
本来の心を病んでいるひと(本来ですら定義は曖昧だけど)から離れて、大衆化すると最終的にはオワコン化する可能性が高いです。
繰り返し繰り返し言葉の成り立ちを知らない人がメンヘラという言葉を使うことによって、ほとんど意味がなくなってきます。
最終的にはちょっと心が病んだだけで「メンヘラった」なんていい出すかもしれません。
メンがヘラるとか、メンがヘラったとか。
メンヘラよりもさらにカジュアルになっているような印象を受けますね。
時代とともに言葉が変化していくのは当たり前で、よりポップな感じになっていくことで良い面もあるとは思いますが、本来の重苦しい意味がなくなってしまうのもどうかなと思います。
最近では、いわゆるメンヘラ以外のひとでもメンがヘラったなんて言っちゃうので、健康な人たちにも「メンヘラ」という言葉は浸透しているものと見て間違いないでしょう。
このままオワコン化させてほんとにいいのだろうか?
私はあまり良くないなぁ。と思ってます。
まあ、言葉の機能としてはどうなの?とは思いますが、「メンヘラ」という言葉によって精神障害者がちょっとだけ救われているという事実もあるんですよ。
ほら、「精神障害者」よりは軽い感じするじゃないですか。ポップな感じ?が。
#精神疾患 の方へ
イラっとしないものを選んでください
— 星野 良輔 (@hossy_fe_ap)
このアンケート結果を見ると、呼び名なんてどうでもいいわというのが見解なようにも見えますが、それは「メンヘラ」という言葉が浸透しているからのような気もします。
ただ、先ほども書きましたが、年長者は「メンヘラ」という言葉嫌いですね。
なんだかんだいいつつも、定義不可能でこのまま大衆化&陳腐化すると思います
メンヘラがある種の文化になったら、それはそれで非常に面白いなぁと。
メンヘラのガラパゴス化とか、面白い。いや、ある意味すでにガラパゴス化してるか。
ともかく、本来の意味である精神障害者または心を病んでいる人から離れて「メンヘラ」が独り歩きし、ファッション化し、誰でも使うようになってしまったので、オワコン化も時間の問題なんじゃないかなぁと。
メンヘラオワコン化説はこのあたりの記事を読むと面白いです。
参照:「メンヘラ」がファッション化してしまっている問題について