こんな時代になってもいまだに、うつ病は甘えだなんて言ってる人がいます。
なぜかってと、やっぱり「うつ病の原因って何か?」が分かってないからだと思うんです。
私は幽霊の存在を信じていません。だって証明できないでしょ!幽霊がいるって!
私が幽霊を怖がるように、うつ病は原因がはっきりしないから存在を認めてもらえないんですよ。
幽霊についてはちょっとわかんないですけど、うつ病は少しずつ解明されてきています。
“古屋敷教授によると、うつ病と炎症との関連はこれまでにも指摘されていたが、因果関係は明らかになっていなかった。”
これは朗報なのでは?うつ病は脳の炎症が原因だった!ってなるといいね。
うつ病発症、脳内炎症が深く関与 新薬開発に期待 https://t.co/7WzNdSvP6f
— ほっしー@メンタルハッカー (@HossyMentalHack) 2018年7月21日
神戸大は19日、うつ病の発症に脳内の炎症が深く関わっているとみられることが分かった、と発表した。マウスを使った実験で脳内の炎症を抑えると、うつ症状に特徴的な行動が抑制されたという。
うつ病の解明が進むのはすごく嬉しいこと。
もし脳の炎症だとわかれば、救われる人は多いはずです。
ただ一方で、確定することによって不幸になる人も存在すると考えてます。
「脳の炎症」という言葉の説得力は絶大
炎症って、わりと誰にでも馴染みのある言葉ですよね。
たとえば、風邪を引いて病院に行ったとき、以下のような言葉を聞いたことある人たくさんいるでしょう。
これがうつ病とセットになった場合…
うつ病というよくわからない怖い病気が、聞き慣れた言葉とセットになることで、急に「立派な病気感」が出てきますよねw
脳の神経物質がどうのこうのなんて言われても、ピンと来ないんですよ。
脳のシナプスがどうとか、トリプトファンがどうとか、セロトニンがどうとか…。
みんな忙しいから、難しい言葉使われたら聞こうともしてくれないんですよ。
「脳にある○○が炎症を起こすことによって、うつ病は発症します。」
炎症反応でうつ病が片付けられるようになった世界の問題点
仮に、うつ病は脳のある部分が炎症を起こすことによって発症する。が確定したとしましょう。
こんなに楽で確実性の高い診断はないっすよね。
私たちもどうどうと「脳の炎症だ!」と言えるし、さすがにうつ病は甘えなんて口が裂けても言えないでしょう。
問題なのは、炎症反応ないですねぇ…と言われたときです。
確実にうつ病のような症状が出ているのに、炎症反応がない。となると、患者は追い込まれる気がしますね…。
「うつ病ではない」が確定してしまうので=甘えと考えが直結してしまいそう。
いま以上に理解が遅れそうな気がしますなぁ…
炎症反応が無い=甘え。この直結が怖い。
うつ病の原因が1つと固定されることはなさそうな気がする
もちろん、炎症反応があることでうつ病が確定したとしても、それ以外のうつ病も存在しますよって話にはなるんだと思いますけどね?
脳の炎症以外のパターン…うーん…。
ストレス溜まりすぎて脳がおかしくなってるけど炎症は起きない…とか?
医学的な知識がないのでわかんないんですけど、感覚的には「うつの原因決定版!」みたいなのは出てこないんじゃないかと思ってます。
心理的な側面は無視できない…と思うんですよね。どうしても。
というか、さっきも言いましたけど心理的な可能性も用意しておかないと
診断出ませんでしたね!きみは甘えです!
と、救いようのない結果になってしまいそうだからなぁ…。
ちなみにいま現在、うつ病の原因は確定していないと本にも書かれています。
厚生労働省のページには、以下のような記述がされていました。
さまざまな研究によって分かっていることは、「うつ病を引き起こす原因はひとつではない」ということです。
非常につらい出来事が発症のきっかけになることが多いのですが、それ以前にいくつかのことが重なっていることも珍しくありません。
そのため原因というより、要因というほうが考え方としてなじみやすいでしょう。
生活の中で起こるさまざまな要因が複雑に結びついて発症してしまうのです。
このようにして複雑に絡み合っているなら、脳だけじゃなくて心理的な側面も無視できないと思うんですよ。
脳もあるだろうし、考え方、生き方の問題もある。
病気だけに着目するんじゃなくて、自分の全体を作り直す感覚が大事なんじゃないでしょうか。
だからうつ病を治すというよりは人生そのものをリスタートさせる感覚が大切じゃないかな?うつ病だけを治そうとしても、うつ病になりやすい体質まで改善されるわけではないからね。早く治そうとするよりも、ゆっくり時間をかけて直していく心構えが大切。金銭的な問題がでてくるからきついけども…。
— ほっしー@メンタルハッカー (@HossyMentalHack) 2018年7月23日
うつ病の原因が解明されようが、されまいが、患者としてやることは限られてる
自分がうつ病になった瞬間に医学的な知識が身につくわけじゃありません。
ひたすら本を読んだって、付け焼き刃程度の知識にしかならない。
そりゃ知らないよりは知っておいたほうがいいですが、知ったところでやれることは限られてます。
精神疾患の治療は基本的に専門家と二人三脚でやること。
私たち患者が自分でやることは
・睡眠リズムの改善
・散歩程度でも良いので運動の習慣をつける
・食生活の改善ぐらいしかない。でもたったこれだけのことができない人が多い。「たったこれだけ」ではあるけど「簡単なこと」ではない。
— ほっしー@メンタルハッカー (@HossyMentalHack) 2018年7月21日
あとは、ストレス解消法をたくさん持っておくこともオススメ。
改善&ストレスを早めに潰すってことです。
これからも、うつ関係の医療が進化していくニュースはたくさん出てくることでしょう。
でも、この薬を飲めば一発で治る!みたいなものはないと思っていた方が健全です。
逆に、抗うつ薬を飲んでいたら一生治らない!という極端な意見も間違いが多いと感じてます。
これだけやっておけば、うつ病は絶対に治る!みたいな話はだいたい怪しいんだよな。そう単純な話じゃないから…。
抗うつ薬をやめただけで治る人は
・もともとうつ病じゃなかった
・やめたタイミングで薬が効いた&離脱症状が出なかった
・とことん抗うつ薬が合わない体質だったそんなところやろ。
— ほっしー@メンタルハッカー (@HossyMentalHack) 2018年7月21日
焦らず自分のペースで、進んでいきましょう。
周りの情報に振り回されないように、精神科医と話し合いながら小さな階段を一歩ずつ。
これが1番の近道です。