今は元気ですが、子どもが0歳の時に産後うつを経験しました。
人気漫画「コウノドリ」の産後うつの回では、母親が子どもを殺すシーンが描写されています。
リアルにそんな悲惨なことが起こってしまう産後うつを知ってもらえたらと思い、体験談とSOSの出すところを書いていきます。
産後うつかも?と気づいたとき
子どもが生後2ヵ月までは、里帰りをして実家で暮らしていました。
2ヶ月を迎えていざ家に帰り、1人で育児を始めると意外とこなせていて「双子でもやればできる!」と日々奮闘していました。
しかし生後3ヶ月、子どもが黄昏泣きをするようになりました。
何をしても泣き止まない。それも2人同時に。
沐浴も思うようにいかず、泣き声を聞く毎日にどんどんストレスが溜まりました。
ある日、子どもが風邪を引き、ミルクを飲まなくなり、寝なくなり、泣きじゃくりました。
鼻が詰まって哺乳瓶を咥えられなかったみたいなのです。
が!そんなこと気づかなかった私は「いい加減にしろ!」と怒鳴り、平手で小さな子どもを叩きました。
とても後悔し、今でもその事は忘れられないのです。あ、自分ヤバいかも…この時産後うつを初めて意識しました。
恐ろしい考えが頭に浮かぶ
これはヤバい。
そう気づいてから色んなサービスを自分なりに使いました(後ほど使ったサービスを紹介します)。
お金がかかるものありましたが、生きていくために必要と割り切り使いました。
でも、私の状況はあまり良くならず
- 食欲不振(そもそも食べる時間ない)
- いつ子どもが泣くか分からない不安と緊張感で疲弊
- 1人で育児をする事への恐怖(夫の帰りは22時から23時)
しまいには
と恐ろしいことを考えるようになりました。
この時子どもは生後5ヶ月でした。
精神科医に入院をすすめられる
精神疾患持ちの私は、定期的に精神科を受診していたので、診察の時に正直に考えていることを紙に書いて渡しました。
先生の意見は「死にたいほどなら、入院して欲しい。子どもから離れて休むことが必要です。」でした。
入院中の子どもの預け先は悩みましたが、児童相談所にお世話になり乳児院に預けました。
児童相談所に関わることに夫からものすごく反対を受けました。
長くなるのでここは割愛しますが、説得するのに時間がかかりました。
入院中は子どもと離れてしまった罪悪感で最初はなかなか休めませんでした。
薬はあまり使わずに休息して回復を目指す予定でしたが、あまりにも休めていなかったので薬も使いました。
他には作業療法を行いました。
2ヶ月入院し、子育てをできるまでに復活したので退院しました。
入院中にソーシャルワーカーの方に色々動いてもらい、今まで使ってたサービスにプラスして新たにサポートを増やしました。
入院前から使用していたサポート
私が困った時にSOSを出したり頼った場所を紹介します。困った時の参考にしてみてください!
① 保健師さん
最初に私が困っているのに気づいたのは保健師さんでした。
3ヵ月検診のアンケートの「感情的に子どもを叩いたことがある」という欄に丸をつけてたからです。
その後、家庭訪問をしに来てくれて、「死にたいです」と泣く私に色々サポートを紹介してくれました。
いつでも電話を掛けてきていいよと味方になってくれました。
ただ、保健師さんも当たり外れがあるようで担当の保健師さんが厳しい人だとあまり頼りにできないかも…。
② 支援センター、子どもひろば
子どもを連れて遊びに行ける場所です。
つらかった時期、とにかく毎日通いました。
ただ誰かと喋ることが、平常心を保つ方法でした。
子どもはかわいいですが言葉を喋れない、意思疎通できないことが孤独に感じたので、支援センターのスタッフさんと喋ることは安らぎでした。
そして私が入院する時に児童相談所に連絡を取り、全て段取りして助けてくれたのは支援センターの方でした。
世の中、誰が助けてくれるかは分かりませんね…。
疲弊しきっていたので本当に助かりました。
センターや広場のスタッフさんの雰囲気は色々なので自分にあった場所を見つけれるかは分かりませんが、私はとてもお世話になりました。
ただ、小さい子を連れての外出はとても疲れます…。
③ 託児、一時預かり
週に2回ほど使っていました。
預けている間は寝るもよし、遊ぶもよし。
お金を払っているので罪悪感を感じる必要はないと主治医に強く言われました。
リフレッシュはとても大事です。
週に何回まで、と利用に制限があるのがネック。
④ファミリーサポート
一般の方の家で子どもの預かりが出来ます。
また、病院の付き添いや自分の家に来てもらい一緒に活動することもできます。
私は自分の通院が大変だったので、診察中に子どもの世話をしてもらったり、家にら来てもらって子どもを少し見てもらい、自分は昼寝したりしてました。
だれかと育児をすることで孤独を防げます。
⑤産前産後ヘルパー
自治体によりますが私の地域はありました。
家にきて子どもの世話や家事を手伝ってくれます。
使える回数に制限がありましたが、忙しくて諦めていた掃除などをしてくれてとても助かりました。
家の中に知らない人が入ることに抵抗のある方にはあまり向きませんが、当時はそんなこと言ってられないくらい余裕がありませんでした。
⑥児童相談所
保健師さんに、「困ってるけど誰に助けを出せばいいか分からなかったら、ここに電話をかけて欲しい」と紹介されたのが児童相談所の虐待通報ダイヤルでした(笑)
なぜ私に虐待通報ダイヤル?と最初は思いました。
が、児童相談所には24時間誰かが常駐しているみたいで、24時間繋がる電話が虐待通報ダイヤルだったという訳です。
虐待でなく、普通の育児相談もかけていいとのことでした。
本当に困って誰かに助けて欲しい、誰も相談する人がいない、という時は地域の児童相談所を検索してみてください。
普通のダイヤルは夕方には閉まりますが、24時間繋がる電話もあるはずです。
児童相談所という所に抵抗のある人は多いと思います。
しかし、児童相談所は虐待だけを扱う場所ではありません。
病気が原因で子育てができない人のサポートをしてくれたり発達の相談も出来るところ、というのを是非知って欲しいです。
すぐに子どもを取り上げたり…なんてことは酷い虐待でなければありません。
しかし、私は電話をかけて繋がったものの
鬱すぎて「この人もきっと私のことは助けてくれない」とガチャ切りしてしまいました…。
退院後から使ったもの
① 保育園
本当は入院前から使いたかったです。
泣きながら「保育園入れたいんです」と、保育園相談窓口まで行ったこともありました(笑)
待機児童問題があるのでなかなか入れない地域があるのが現状ですが、産後うつなら診断書があれば仕事をしていなくても優先的に入れます。(障害者手帳のコピーでもOK)
子どもを預けてゆっくり家で療養をしたり、のんびり家事をしたりできるのでお金はかかりますがオススメです。
保育園のおかげで今元気に生活出来てます。
② 訪問看護
ソーシャルワーカーさんが段取りしてくれました。
医師の指示書が必要です。
家に来てくれ、話を聞いてくれたり相談にも乗ってくれますし
医師の指示があれば子どもの世話や家事のサポートもしてくれます。
お金はかかりますが自立支援医療が使えるので設定された上限金額を超えることはありません。
利用したい時は病院の先生に相談を。
③ 障害サービス(ヘルパーさん)
これもソーシャルワーカーさんに段取りをしてもらいました。
その時は障害者手帳を持っていませんでしたが
- 自分でご飯を作って食べることができていなかった
- 家事が出来ていなかった
ご飯を作る、掃除洗濯などの家事などをお願いしています。
色々してもらっている間に私は子どもの世話をしています。
産前産後ヘルパーと同じく、家の中に誰か入るのに抵抗のある方は向きませんが…。
使ってないけどオススメ
ホームスタート
まだまだ広がっていないサービスですが、私の地域はありました。
完全ボランティアでなんと無料でサービスを受けられます。
家に来てくれて子どものお風呂を手伝ってくれたり、子どもの病院に付き添ってくれたりします。
私の双子友達はけっこうみなさん使っていました。
ボランティアで無料とはいえ、ちゃんと研修を受けた方が来てくれます。
気になる方はホームスタートで検索!
さいごに
私は元々精神科にかかっていたのですぐに対処できましたが、初めての方はどこからが産後うつなのか分かりませんよね。
ただ、1個言えるのは、自分で「今ヤバい…」そう感じた時はもうけっこうピークです。
それ以上頑張れば、限界を超えてしまいます。
それでも子どもから色々求められるのが育児。
先程書いたSOSを出せる場所に頼ってみてください。1人で溜め込まないでください。
気持ちの不調が続いたら心療内科や精神科を受診してください。
我慢し続けた結末は、冒頭に書いた悲惨な結末か自殺だと私は思ってます。どうかそうなってほしくないと願います。
そしていま、産後うつになられてる方に伝えたいことがあります。
私が入院中に主治医に言われて驚いた言葉で
「また子どもを産みたいですか?きっと産めますよ」です。
本当に言われてびっくりしました。
産後うつになった私にはもう子どもを産む権利はないと思って自分を責めてました。
「病気になったから産んではいけないということはない」、とても希望に思えましたし
ある意味それは「必ず産後うつは良くなり元気になる」という励ましにも聞こえました。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
ママだけでなく、ぜひパパになる方にも産後うつを知って貰えたら嬉しいです。