栗原類さんの「発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由」という本を読みました。
発達障害を抱えた彼の生涯が赤裸々に綴られています。
私のブログのテーマである「障害を個性に」の考えにも合致する点が多かったですよ。
この本から気になったところを抜粋して紹介します。
栗原 類(くりはら るい、1994年12月6日 – )は、日本のファッションモデル。181センチメートル、78-68-85。東京都出身。モデル事務所のジュネスに所属していたが、2013年にエヴァーグリーン・エンタテイメントへ移籍。『メンズノンノ』や『ポパイ』などの男性ファッション誌への露出や、各種バラエティテレビ番組出演などを中心に活動。“ネガティブすぎるイケメンモデル”として注目を集める。
変わった人だな…と思っていた人が発達障害かもしれない
強い「こだわり」がある 僕には「歩くコース」や「物の配置」にこだわりがあります。
たとえば、「歩くコース」について、一度行ったことがある場所に再び行く場合は、同じルートでないと気がすまないことが多いです。
違うルートで行こうとすることに、ちょっとした抵抗があります。家を出る時間もぴったりでないと気がすみません。
僕は昔から空気を読むことができませんでした。みんなはこうしたいんだろうとか、こういう場合は人に合わせておいた方がいいのだろうという発想ができません。
その場の流れと話題を注意せずに違う事をいうのは、周りの人達はいい思いはしないかもしれません。
世の中にはいろんなひとがいて、それこそ発達障害傾向なのにちゃんと診断を受けていない人も混ざってます。
本人と会って会話をしてみたり、仕事をしたりする中で「常識のすり合わせ」がうまくいかないときに「…ん?」となるんですよね。
そりゃ、程度の差はあるでしょうけど、これらの症状を聞いたからといって「病気」だと思える人のほうが少ないかも。
この理解されなさそう感は、私の抱えている双極性障害にも言えることです。
≫うつ病とは何が違う? 双極性障害(躁うつ病)を大まかにつかもう!
好きなことにはとことんハマる
ゲームにハマっていたので、ゲーム動画をYouTubeで観るようになり、自分のアカウントも作って、ゲーム動画を自分でも作り始めました。
家にあったパソコンや録画機材、編集ソフトなどを母に使い方を教えてもらって、簡単な方法で量産していただけなので、環境を整えるのも動画編集を覚えるのも難しいことはありませんでした。
自分でできる範囲のことを、手軽にやっていただけでしたが、自分から発信するようになり、世界中に友達が増えていきました。
これ、めっちゃいいこと。
時代が違えば、彼はYouTuberになっていたかもしれませんねw
「こだわりが強すぎる」という欠点は、クリエイティブなことにかんしては「強み」になります。
発達障害のひとはフリーランスに向いてるかもしれませんな。
健常者より追求力があるので、とことん極められそう。
ただ一方で、目標を立てることは苦手らしいので、ビジネス的な戦略は立てづらいかな?
自分で全てできるようになる(なりたい)というビジョンはあっても、到達するための道筋を考えたり、順序立てて計画することがまず難しい。
さらに、計画を遂行できるように、日々努力し、自分で引いた線(何歳までに、いつまでに)という時間を守るためにはどうすればいいのかを考えるという一連の流れが、自分ではそもそもできません。
障害を理解してくれる人と手を組めば、この欠点も解決できます。
最近はいい時代で、コミュ障や人と会話することが苦手だー! とネット上でおおっぴらに言ってる人多いですw
理解者を探すコストは昔より下がってきてると言えますな。
弱みより強みに着目する
「好きなことを掘り下げて、得意なことを伸ばす」
僕の場合、今得意なことは英語です。それが自信につながっているのは間違いありません。
特技といえることが少ない、何かと自信を持つことが難しい僕にとって、英語は唯一の特技になりました。
この特技がひとつあることが、僕の自信の源になってくれています。
これは誰にでも言えることですが、弱い部分を補完しても時間の無駄です。
たとえばフリーランスの人が毎年確定申告に苦戦してたりしますが、経理が苦手なら税理士なりに投げればいいのです。
同じように、苦手なことは誰かに助けてもらうようにした方が効率的な時間の使い方ができます。
なので、自分の強みに着目してぐんぐんのびしていくべきですね。
無料の強み「のみ」診断するアプリが面白かったので、下記記事に紹介してます
≫自分の弱み克服したい? なに慎重になってんの…強みを伸ばそうよ!
最初から苦手なことは話しておくべき
他人に自分の苦手なことを話すのは、最初は恥ずかしいかもしれませんし、冷たい眼で見られるかもしれません。
でも、それを気にしていたら、まわりに自分の弱点を理解してもらえずに、ミスを責められ精神的にまいってしまいます。
自分の弱点をさらけ出さないと、単純に残念な人扱いで終わってしまう可能性が高いのです。そうなると、自分だけでなく家族も精神的にまいってしまう。それだけは避けたいです。
単純に残念な人扱いって言葉、すごく現実的ですね(笑)
理解されるかどうかはともかく、こういう病気、障害があるから能力が低いと言うのはある意味予防線として機能してくれるんですよ。
たとえば私は、双極性障害を公表して仕事をしています。
と、私が不安定であることを前提に仕事をお願いされるんですよ。
相手が理解してくれることで、あまり頑張りすぎないでいられます。
もし、障害のことを隠して仕事をしていたら
って、無駄に力が入っちゃう。
自分にとっても相手にとっても、障害を隠して仕事をするというのはいいこと1つもないですね。
発達障害体験記として優秀
精神生姜の体験談は、本人の視点でのみ語られることが多く、主観的になりがち。
この本のポイントは、
- 当事者
- 当事者の親
- 小学校からの担当医
とりあえず発達障害がどういうもの知りたい人にも、すでに知っている人にもオススメ。
精神科にかかっていたり、日常生活で苦労した私から見ると、栗原類さんはかなり恵まれた環境にあるなと感じましたね。
ただこれ、健常者が見ると
と思うかもしれません。
それほどまでに、発達障害や精神障害の治療環境は整ってないんですよねぇ…。
この本がもっと知られることで、支援が広がるきっかけになればいいなぁ。
当事者が声を上げないと、世の中は何も変わりませんから。
障害は個性として捉えるべきという気持ちが強化された
私はこれまで、障害は個性と捉えるべきだとずっと言ってきました。
双極性障害は個性として捉えるほうが長い目で見るといいですよ。https://t.co/hMJKHRw9fK
— ほっしー (@hossy_fe_ap)
悲しいことですが個性かどうかは自分でレッテルを貼るしかないというのが現状だと捉えてます。
人に迷惑をかければ「障害」
人に利益をもたらせば「個性」真剣に議論されてない以上、この程度にしか捉えられないでしょうなぁ…。 https://t.co/3O2K7pX00O
— ほっしー (@hossy_fe_ap)
障害は個性として捉えたほうが、活躍の場は広がる。
というか、持っている障害の個性を活かせない場所にいっても、ただただ「配慮の対象」となるだけで、いつまでも自尊心は満たせない気がするんだよなぁ。
— ほっしー (@hossy_fe_ap)
これは治療を拒否するということではなく、障害をマイナスと捉えず自分を活かせる場所を探せばもっと輝けるぞということ。
私自身が正社員の道をあきらめ、ブロガーとして生計を立てていくことを決めてから人生が変わったのでそう思えるのです。
この本では栗原類さんが障害と向き合いつつも、すべてをマイナスとは捉えず、できることに目を向けて少しずつ自信を養っていることがわかります。
精神疾患になったから、病人は病人らしく慎ましく生きるか…
と思っている人が多いなか、とても勇気づけられる本。
マイナスな面を加味しつつも、プラスの面を大きく伸ばすことで定形な人間ではない人も活躍の場を見いだせるのです。