どうも、メンタルヘルスブロガーのほっしー(@HossyMentalHack)です。
あなたもそう悩んだことはありませんか?
専門書を読み漁ってみると、考えられる原因はいくつかあるようですが、未だに特定に至っていないようです。
ただ、うつ病になりやすいひとには一定のパターンはあるみたい。
今回は、うつ病の原因として考えられていることやうつ病になりやすい性格についてまとめてみました。
うつ病の原因として考えられるもの3つ
1.内的要因(本人の考え方に問題がある)
アメリカのアーロン・ベックという精神科医は、うつ病の患者を治療するなかで、彼らが実際以上に物事を悲観的に考えていることに気づいた。
自分のことを悲観的に考えているだけでなく、世界や未来に対する考えも、悲観的に歪められていた。
ベックは、この過度に悲観的な考え方が、そもそも彼らを苦しめている原因ではないのかと思うようになった。
そうした悲観的な考えが本当に根拠のある現実的なものなのか、ベックは患者と一つ一つ検討してみることにした。
引用:ストレスと適応障害
考え方や感じ方に原因があるという考え方です。
例えば…
と、ネガティブに捉えてしまうひとがいますよね。
相手が何を考えているかも確証がないのに、勝手にネガティブに捉えて自分を追い詰めていってしまう。
過度なマイナス思考は、「認知の歪み」と言われ、これを治すために認知行動療法といったものもあります。
抗うつ剤を飲んで症状が抑えられても、内的要因の原因が排除されない限り再発する可能性が高いと言われています。
2.外的要因(外部から与えられるストレス)
人間にはちょうどよいストレスのバランスというものがあります。
それは人によるのですが、過度なストレスがかかると、疲弊してしまう。
わかりやすいところで言うと、人間関係のストレスや、仕事に関するストレスでしょうか。
強いストレス下では、自律神経系のスイッチの切り替えがうまくいかなくなる。交感神経が緊張しっぱなしになると起きやすいもっとも身近な問題が、肩こり、便秘、高血圧である。首筋から後頭部にかけての頭痛(筋緊張性頭痛)も多い。
交感神経と副交感神経のどちらもが興奮するというようなことも起きる。
強い不安や緊張、怒りを感じた状況が典型的である。
その結果、たとえば、胃の粘膜を守るために分泌される胃粘液が減り、同時に、消化のために必要な胃酸の分泌が亢進するといった矛盾したことが起きてしまう。
その結果、胃炎や胃潰瘍を引き起こしやすくなる。
引用:ストレスと適応障害
わたしのうつのはじまりも、身体的な症状からでした。
精神的な病気だとは思わずにいろんな病院にかかり原因不明の自律神経失調症なんて言われたりしてましたね。
仕事以外にも、外的な要因としてあげられるものはいくつかあります。
- 健康:月経、事故、からだの病気
- 家族:妊娠、出産、子どもの就職・結婚、家庭内の不和・離婚
- お金:貧困、税金問題、相続問題
- 状況の変化: 旅行、引っ越し、転勤
- 喪失体験: 近親者との死別・離別、病気転職を検討
引用:こころの陽だまり
このようにしてみていくと、外的要因が内的要因を誘発することも考えられますよね。
3.遺伝的要素
うつ病のなりやすさのうち、遺伝要因によって説明できる部分は3割から4割で、双極性障害の7割に比べると少ない。
引用:うつ病の脳科学
遺伝的因子が関与する割合を示す遺伝率で見ても、大うつ病の遺伝率は、双極性障害の半分程度であり、パニック障害よりも低い四割弱(三八%)となっている。
症状が重い大うつ病でさえも、遺伝率が四割以下という数字は、環境的な要因次第で、ほとんど誰でもうつ病になりうるということを示している。
引用:うつと気分障害
いまのところ、ないことはないけれど、あるとはいえないと言った微妙な感じみたいです。
遺伝的な要素はあまり気にする必要はないでしょう。
というか、生まれ方を選べない時点で遺伝的要素はどうしようもありませんよね。
ちなみに、双極性障害に関しても、遺伝的要素が強いはずだけれど説明がつかないことが多いとも言われているんですよ。
≫双極性障害は遺伝する病気なの? 遺伝病とは言えないのでそんなに心配しないで。
うつ病になりやすい性格の特徴3つ
病前性格と言って、病気になる前にどんな性格をしていたのか? というところからうつ病を見ようというもの。
専門家が書いている最近の書籍では、「病前性格はあまり意味がないかもしれない」と語られるほど、決まった性格というものはなくなってきたそうな。
とはいえ、昔ながらのうつ病になりやすい定番の性格というものもあるようですよ。
1.循環気質
双極性障害の病前性格としては、ドイツの精神医学者クレッチマーの分類による、社交的で、明るく、活発で、情味や喜怒哀楽の豊かな「循環気質」が知られていた。
引用:うつと気分障害
しばしば双極性障害に多いと言われる循環気質タイプですが、うつ病のひとにも一定数います。
というのも、うつ病と双極性障害はよく似た病であり、誤診されることが多いからです。
双極性障害の患者にTwitterでアンケートをとったところ、循環気質のひとが多いことがわかりました。
#双極性障害 の方に質問です。
病気になる前、私の性格は……
— 星野 良輔 (@hossy_fe_ap) 2016年7月7日
うつ病のひとに循環気質が多いというよりは、隠れ双極性障害のうつ病患者に多いと言った印象かもしれません。
2.執着気質
日本人の下田光造という学者が提唱しました。
- 真面目で几帳面
- 正義感や義務感が強い
- 100か0の完璧主義
- 物事に強いこだわりを持っている
- プライドが高い
障害と診断されるレベルでなくても、固執性の傾向をもった人は、かなりの割合いるであろう。
固執性の高い人は、執着気質やメランコリー親和型気質とも呼ばれ、愛着した存在との関係を大切にし、それを失うことに強いストレスを感じる。
愛着対象を失うことは、うつになるきっかけともなる。
引用:ストレスと適応障害
もう、絵に描いたような真面目人間。
うつ病にそれほど理解がない人でも、こういった性格の人がうつ病になりやすいということはよく知っているんじゃないでしょうか。
あまりに頑張りすぎて、自分で勝手に潰れていってしまうひとが多いです。
適切なタイミングで逃げることを知らないので、自らをどんどん追い込んでいってしまいます。
深いうつ病になりやすいものの、昔からいる典型的なタイプなので、抗うつ剤が効きやすいと言われていますね。
3.メランコリー親和型気質
執着気質と似ているんですが、ドイツのテレンバッハという学者が提唱した、生真面目で責任感が強いことを特徴とする性格。
執着気質と微妙に違うところは、他人に対しての態度。
執着気質は他人に対しても強く完璧主義を求めますが、メランコリー親和型は他人を優先します。
メランコリー型うつ病(内因性うつ病) 今も昔も、典型的なうつ病、とされているのが、このタイプのうつ病である。
症状としては、自責感、制止(動きがゆっくりで、考えも進まない)あるいは焦燥(どうしよう、どうしよう、と落ち着かず動き回る)、早朝覚醒、日内変動(朝が悪く、夕方はましになる)などが特徴的である。
引用:うつ病の脳科学
単極性のうつの中で、大うつが見られるものを大うつ病という。
代表的な大うつ病が、「メランコリー型うつ病」であり、昔から知られているタイプである。
律儀で、几帳面で、責任感の強い性格の人がかかりやすいとされてきた。早朝覚醒や食欲不振、体重減少などが特徴とされる。
引用:うつと気分障害
循環気質と同様、「なぜあの人がうつ病に?」とびっくりされるタイプでしょうね(笑)
大うつ病の中には、メランコリー型とは異なるタイプのうつ病がある。
過眠や過食、体重増加が見られる「非定型うつ病」、ある季節(多くは、秋か冬)にだけうつ状態が見られる「季節性うつ病」である。
引用:うつと気分障害
わたしは循環気質と非定型うつ病の2つの性質があると自分では思ってます。
その証拠に、決まって同じ時期の冬に調子が悪く、過眠と過食が目立つから。
冬は12時間以上も寝ちゃいます…(笑)
≫うつ歴3年でわかった! 冬至と気分の落ち込みに関連があるっぽいね
うつ病患者の性格割合(星野調べ)
わたしはTwitterで多くの精神疾患の方とつながっています。
検索もTwitterを使うことが多いんですが、精神疾患のTwitterユーザーのうち、性格割合はこんな感じ。
どれか「1つ」が原因であることのほうが少ない
これまで書いてきたように、様々な原因があげられますが、どれもかぶってるような気がしませんか?
例えば、内的要因もあるだろうし、外的要因もあるだろうし、お互い相互作用して誘発してる可能性だって考えられますよね。
病前性格も、日本人なら執着気質のひとは多そうな感じもします。
どれか1つが原因で発症したというよりも、複数の要因が絡まりあって発症しているんですよきっと。
うつ病になると、完全に治るのは難しいと言われていますが、この複数の要因が絡まっていることに原因があるんです。
例えばわたしは、仕事が原因でうつになったのですが、その仕事をやめてもうつは治ってません。
わたしは仕事が原因でうつになったので、復職はできませんでした
原因について、思いつく限りをあげてみましょう。
- やりたくない仕事だった
- なれない首都圏の通勤がストレスだった
- 同期がいない職場で相談できるひとがいなかった
- 長時間労働で疲れ果てた
- 就職前から精神的に調子が悪かった
大きなカテゴリーで見れば「仕事」が原因だということになります。
ただ、本当に仕事だけが原因ならば、仕事から離れればうつ病はすぐに良くなるはずですよね。
退職してから2年以上経ってますけど、いまだに治っているとは言えません。
幼少期のエピソードなんかを話すと、双極性障害や冬季うつ病の疑いもあり、「わからないことだらけ」なんですよ。
性格的には循環気質だと思うので、そこだけみれば双極性障害っぽいかな…。
いずれにしても1年半の休職期間を経ても、復職には至りませんでした。
自宅で好きなことをしているときは、多少こころがマシな状態なんですが、会社のことを思い出すと苦しかったんですよねぇ。
「復職する」以外の選択では、うつ症状はほとんどでなくなったのに。です。
現にわたしは、復職を諦めて別の仕事に従事することになったわけですから。
うつの原因になっているものが環境や状況、本人の性格(たとえばストレスを普通より感じやすい)であれば、それらを変えないと完治はしない
うつの専門書でも、完全な完治を目指すのであれば環境を変える必要があると書いています。
ただ、精神疾患者の就活ってそうとう大変なんですよ…。わたしもハローワークで、いやな顔されましたからね。
障害者雇用専門のエージェントがあるので、そっちに頼ったほうがいいでしょう。
≫どうする?うつからの再就職! 障害者雇用に特化したエージェントに頼ってみよう
うつ病の発症メカニズムはまだわかってない
うつ病の原因は、あらゆる切り口から研究され、ほとんど絞り込まれているが、まだ完全には解明に至っていない。
従って、血糖値やGPTなどの数値によって診断されている、糖尿病や肝臓病などの疾患のように、
「検査で診断する」ということができない。医師は、患者さんの話を聴いて、症状・経過を判断して診断している状況である。
引用:うつ病の脳科学
診察を受けたことがあるひとならわかると思うんですけど、簡単な問診と過去のことをちょっと聞いただけでうつ病と言われたりするんですよ。
残念ながら、レントゲンを撮った結果…とか、MRIの結果…といった診断方法がないので、信頼性に乏しいですよね。
診断の方法が医師の経験と勘だけという、現状だからです。
ただ、血液検査でうつ病を診断できるかもしれない! といった話も出てきています。
一向に変わってこなかった精神科界隈ですが、最近は明るいニュースが多いんですよ。
うつ病の原因・なりやすい性格についてのまとめ
- 内的要因(本人の考え方に問題がある)
- 外的要因(外部から与えられるストレス)
- 遺伝的要素
- 循環気質
- 執着気質
- メランコリー親和型気質
これらのうち、どれか1つが原因となってうつ病になっているとは考えにくく、複数の要因が絡まってうつ病になっています。
研究は日夜進んでいるようですが、原因の確定には至っていません。
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