こんにちは、ほっしーです。
私はうつ病または双極性障害という微妙な立ち位置で診察を受けています。
でも、冬になると決まってうつ状態になるので、季節性のうつ病が最も疑わしいような~。なんて自分では思っているんですよ。
うつ病と診断されている方でも、決まった季節に調子が悪くなるという方はこの本を読むと納得感を得られるかもしれません。
いくつか参考になるところがあったので紹介していきます。
あ、ちなみに…冬季うつ病について書かれている本ってこれしか見つけられなかったんですけど、ほかにも知っている本があったら教えてくださいw
冬限定?夏限定?季節性のうつ病
季節性感情障害 Seasonal Affective Disorder(略称SAD)
季節性感情障害 Seasonal Affective Disorder(略称SAD)と呼ばれるこの病気は、季節や環境の変化によっておきる病態のひとつとして古くから注目されている。
この本では、SADと略されて話が進むのでここでもSADを使っていきます。
夏季うつ病や冬季うつ病を総称した名称のことのようですね。
社会不安障害もSADというので注意してください。
どこからが病的な症状なのかというのは判断が難しいでしょうが、秋から冬にかけて気分が落ち込むということは誰にでもあります。
ほら、雨が降っただけでも何となくテンションが下がるってことがあるじゃないですか。
ちなみに、うつを患っている方にとっては雨は結構きついです…。私も雨が降るとうつが強まる傾向がありますねぇ。
身体症状はうつ病のそれと同じ
SADでは精神症状だけでなく身体的症状パターンも現れるので、患者は精神科医や精神療法家ではなく課程いや内科医に援助を求めることも多い。
彼らはさまざまな身体疾患を疑われ、診察や検査を受ける。
たとえば甲状腺機能低下、低血糖、あるいはEBウィルスのような慢性ウィルス感染などである。
私も、まだ精神疾患となる前、肩こり首こり頭痛がひどく現れました。
夜眠れず吐き気が止まらず、なにか深刻な病気なのではないかと心配して内科と整形外科を受診したのですが特に異常なし。
カイロプラクティックや整体なんかに大金をはたいてきましたが、これといった効果は表れませんでしたねぇ。
今になって思えば、心因性のものなので、体の外側を同行しても無駄ってわけです…。
精神科医もまた、SADを認められず何が起こっているのか理解できない場合もある。
(中略)
精神科医は患者の問題は「神経症的」である・・・さまざまな葛藤に結びついているとか生活上のストレスに適応できないでいるためだとか・・・と結論を出す。
はじめは、自律神経失調症や、適応障害ではないかと私も言われました。
医者ですらすぐには判断できないところがこの怖い病気のところです。
すべての身体疾患を否定され、精神的な異常しかないといった状況でも医者に「よくわからない」と言われてしまう。
患者たちは、一体何が悪いのか。自分は甘えているのかと自分を責め続けてしまいます。
引用した文章にもあるように、精神科医も特定が難しいんですよ。
現時点では客観的な診断方法がまだないので、病名を確定することができません。
客観的な診断方法については開発が急がれているところですが、ポジティブなニュースは増えてきていますね。
機械学習を導入することで、数種類の代謝物情報から自殺念慮の有無やその程度を客観的に予測するためのアルゴリズムも開発している。https://t.co/NELGSX0gV3
お!すげーな。うつと深く関係する血中代謝物の特定だけでなく、機械学習アルゴリズムもか。これは期待。
— 星野 良輔 (@hossy_fe_ap) 2016年12月19日
一方でちょっと心配なのが、「うつ病じゃないけどうつ症状が出ている人」についてどう対応していくのかってこと。
「あなたの場合は甘え」とレッテルを張られることになってしまいますからねぇ。https://t.co/vHnu1ygB5j
— 星野 良輔 (@hossy_fe_ap) 2016年12月20日
冬季うつ病に有効な治療
たくさんの光を浴びろっ!
この本では、基本的に冬季うつ病が中心に扱われていて、冬場になると日照時間が減ってセロトニンの分泌量が下がるので起こる障害ではないかと説明されています。
様々な人のエピソードが紹介され、光治療が有効であることを発見した医者の話という感じです。
うつ治療としては語りつくされているところですが、とにかく外に出て太陽の光を浴びろってことです。
冬は日照時間が短くなるので、夏よりも意識して光を浴びる必要があるんですよ。
どうしても体調が悪くて外出なんて絶対無理! という方は、光が入るようにベッドを動かしてみるといった試みもありです。
これだと体調が悪くて動けないときもガンガン光を浴びることができるので、まったく光を浴びないよりは効果あるでしょう。
ほんとにきついときってまったく何もできないので、自動的に光が浴びられるように環境を整えることも技のひとつですw
身体を温める
多くの患者の語るところでは、光治療とともに暖かくすることがSADの症状を軽減するのに有用であろうという。
彼らは部屋の温度設定を上げたり、電気毛布を使ったり、温かい飲み物を取ることで気分が改善するという。
部屋の温度については個人的にはたいして効果ないと思いますが…。
これに加えて、自分のできる範囲でストレッチをするというのも私はオススメしています。
寝る前と起きてすぐ。ストレッチをします。
ポイントは、完璧を目指さないこと。
グーっと伸びているな〜気持ちがいい〜。と、感じる範囲でいいですし、短くても適当でもいいので、やりましょう。
全く何もしないよりはマシでしょうという感覚でいいです。
食事と運動
リズム運動
うつ病一般について、規則的にエアロビックな運動をすることが抑うつのコントロールに役立つという証拠がふえてきている。
運動するということは、太陽の下でにしろ光治療装置の前に置かれた自転車の上でにしろ、明るい光を浴びる量を増やすことになるから、SADではいっそう効果が期待できる。
外に出られる精神状態ということが前提ですが、もし出られるなら運動もかねて一緒によるといいですね。
私も調子が良いときは自転車に乗って出かけたりしてます。
もちろん、自転車でなくても散歩でもいいですよ。
自転車をこぐときって、注意することがたくさんありますよね。
- どこから子供が飛び出してくるかわからない。
- 後ろから車に追突されるかもしれない。
- 歩行者にぶつかるかもしれない。
シャキッとしないと! という注意信号が脳の活性化にもつながりそう。
うつで寝込んだりすると、とんでもなく体力が落ちるので、体力をつけるという意味でも自転車はオススメですね。
食事・炭水化物
SADの患者は炭水化物の多い食事を摂ると実際に元気がでるように感じ、SADでない人々は逆に鎮静されたように感じる。
SADの患者の主たる苦痛が、体がだるく、エネルギーのでない感じにあることを思えば、彼らの多くが特に何かしなければならないことがあるときに、エネルギーの増すように感じられる食物に引かれることは理解しやすい。
冬になると体がだるくエネルギーの出ない感じはあり、冬になると昼食が必ずパンとパスタになる私はもりもり炭水化物ですよね(笑)
さらに甘いものも食べたくなるので、かなり太ります。
もし無意識的に脳が勘違いして炭水化物を摂取することで冬季のエネルギー切れを予防しようとしているのであれば、精神疾患者にとっては、低炭水化物ダイエットは危険かもしれませんね。
更にエネルギー切れを加速させることになりかねません。
パスタの中でも特にペペロンチーノが大好き。いや、というか俺の中でのパスタはペペロンチーノしかない。
冷食もペペロンチーノ。店でもペペロンチーノ。
— 星野 良輔 (@hossy_fe_ap) 2016年4月8日
冬になると意図的に食事を制限したりすると体調が良かったりするのでこれが関係しているのかもしれません。
過度なダイエットはもちろん厳禁ですが、3食しっかり食べているのに冬は間食が止まらないんですよねぇ。しかも甘いやつ。
間食を抑えるだけでもだいぶ身体がスッキリして寝起きも違いますよ。
冬季うつでバクバク食べてしまう人は、正常な食事量に戻るようにちょっと頑張って調整してみてください。
患者の私たちが周りの人たちにしてほしいこと
問題を理解してあげる
季節的な気分の乱高下は普通の人が感じる冬の憂鬱とは違います。
怪我をしているようにも見えない、体調が悪そうにも見えないことから甘えと思われがちな病気。
患者より軽い変動のある友人や家族は、こう考えるかもしれない。
自分も同じ種類の困難と戦っている。それでも自分は立ち上がって生活を続けている。
ならばどうして患者にそれができないのか?
うつになってしまったら、働けないどころか動くことすらままなりませんよ。
私は休職してからすぐのときは家事はおろか、食事さえも億劫になっていたほどです。
実際、今より14㎏も痩せていましたし…。プロフィールにうつになったばかりのころの写真を掲載しているので良かったらご覧になってください。
精神疾患を心の病気と捉えずに、普通の身体的疾患と同じように考えてください。
骨折している人間に対して、引っ越しの作業を手伝ってほしいなんて言えますか?
ただそばに居てあげる
本書の中の冬季うつ病患者の話で共感したものがありました。
私が隅のほうで静かに座って雑誌を読んでいるのを、友だちが気にしないでほしい。
私は人がそばに居てくれて、しかも私に多くを求めないでいてくれるのがありがたいのです。
求められても私には応えることができないのだから。
これまで通りでいいんです。一切気にしなくていい。
ただ、何かを求めないでほしい。
これはすごくワガママな感情であることは重々承知してますw
こんなときに期待されてしまうと、答えないといけないのに答えられない自分にさらにストレスを感じてうつが進行します。
ま、期待されすぎないのも寂しいんですがね。
我ながら超めんどくせぇな…。
特別扱いしない
先ほどと少し話は矛盾しますが特別扱いはしてほしくないと思ってます。
以前ブログにも書きましたが、もしあなたが私とリアルで会ったとしましょう。
会えている時点で私は「普通の人」として振る舞える精神状態だということです。
たった1つだけ。精神障害者だということを忘れてください。
全く気を使う必要もなければ、不用意に傷つける必要もありませんw
一般男性。ちょっと変わったブロガーだと思って接していただければいいかと。
先ほども書きましたが、調子が悪いときはそもそも人と会わないので、あなたと会っている時点で、調子が良いということです。
そう、調子が悪いときは自分でわかります。
なので、調子が悪いときは会いません!w
もし調子が悪そうな精神疾患者を見かけたときも特別扱いは多分好まれません。
普通に接して病気を気づかないふりするのが一番いいと思います。
自分が精神疾患であるということを過剰に気にしている人が多いので。
これはやめておいたほうがいいよ
うつ病人を否定したり批判すること
これまで書いてきたように、ただでさえ普通のことがうまくできなくなって落ち込んでいます。
わざわざ言われなくても本人たちはわかってることが多いんですよね。
私のようにブログを書いたりTwitterで言いたいこと言ってる人は文句言われなれるんですけど、必ずしも皆さんがそうじゃない。
特に精神疾患者は心がボロボロになっている人が多く、批判に対する対処法を身に着けていないことがほとんどです。
リアルに「うつ病なんて甘えだよね~」と言われてしまって対人恐怖症になってしまった人も知っています。
ま、うつを批判したい気持ちは病気に対する誤解から生まれると考えるんでしょうね。
うつは脳の病気ですから、自分でコントロールすることはできません。
客観的な診断方法が見つかればもう少し理解が広まるのかもしれませんが…。
現時点では「血液検査の結果、うつ病だと分かりました」とは言えないので、偏見や差別が横行しちゃうんでしょうねぇ。
自分がなんとかしてあげようとする
世の中にはお人好しな人がいて。
と思う方がいます。
私もブログの問い合わせフォームから、「彼がうつになってしまって、どうしたらいいかわからない」というメールをいただいたことが何度かあります。
そのたびにお答えしているのですが、何かできるなんてことは思わないほうがいいです。
実際にうつを経験したことがないとわからないんですよ。
というか、うつを経験したことがある人なら「なんとかしてあげたい」という気持ちにはなってもなんとかしようと行動することはありません。
先ほども書いたように、脳の病気でどうすることもできないんです。気持ちの問題じゃない。
そりゃ心配してくれるのはうれしいですが…基本的には重荷になっちゃうことが多いんです。
配偶者やカップルがあまり余計なことをすると関係が悪化する恐れがあるので基本放置でOKです。たまに連絡する程度で。
もしかしたら嫌われた? なんて思ってしまうかもしれませんが、うつのせいで一時的に興味がなくなっているだけです。
時間がたってうつがよくなってくれば、相手のほうから連絡してくるでしょう。
こくな話ではあると思いますが、あなたにできることは「待つ」ことだけです。
さいごに
冬季うつ病は、季節性のうつ病である程度予測はできるのですが、実際に対処できるかというとなかなか難しいところがあります。
うつがひどくなってしまうと何もできなくなっちゃうので…。
そんなときはゆっくり休みましょう。
と考え込んでしまうとさらに落ち込みがひどくなってしまいます。
ひたすら寝るもよし、現実逃避するもよし、調子が良くなってきたら外に出ようかなぐらいの認識でOKですよ。
自分のペースでゆっくりと療養することを意識しましょ。
[…] 季節性感情障害(SAD)・・・患者編にも述べていることなのですが、とにかく寒くなると調子が落ちます。 […]
[…] 患者編に引き続き、家族・友人編です。 […]
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