と思い悩んでいた時期が私にもありました。
- やりたくないことをさせられるとうつになる。 楽しいことは楽しい。
- ずーっと寝ていられるし、お腹すきすぎてたまらん!お菓子どこー?
- 朝調子が悪くて夜調子良くなることが普通らしいけど、逆の日もあるんだよな…。
うつ病の診断を受けている人からすると、正反対すぎてびっくり。
というか、本当にうつ病?と思ってしまうんじゃないでしょうか。
いわゆる普通のうつ病を定型うつ病というのに対し、非定型うつ病と言います。
今回お話する非定型うつ病は、現代うつ病の特徴として語られることもありますが…。
現代うつ病はマスコミがでっち上げたもので、実際に存在する病名ではありません。
非定型うつ病は、DSM(うつ病診断マニュアル)にも記載がある病気です。
結論から述べますと、「新型うつ病」という専門用語はありません。
むろん精神医学的に厳密な定義はなく、そもそもその概念すら学術誌や学会などで検討されたものではありません。
一方、「非定型うつ病」は、歴史的にはさまざまな定義が与えられてきました、最近の米国精神医学会診
断基準(DSM-IV)では、大うつ病のうち、過食、過眠、鉛のような体の重さ、対人関係を拒絶され
ることへの過敏性などの特定の症状を有するうつ病と定義されています。引用:日本うつ病学会
いつの時代も、おっさんになると若者は甘えていると考える人が多いですから、現代うつ病って名前勝手につけたほうがセンセーショナルに報道できますからねぇ…。
愚痴っぽくなりましたが、非定型うつ病の特徴について書いていきますねw
非定型うつの特徴
1.過眠と過食
一般にうつ病になると食欲不振がでたり、不眠になったりするというイメージがありますが、この非定型うつ病に関してはそれが真逆の形をとります。
つまり、いくら寝ても眠たい。いくら食べても食べたりない。ということです。
これは、はたから見ると元気に見えてしまうことから誤解を招きやすくなります。
私自身もどちらかといえばこっち。
うつが悪化したり、ストレスを強く感じると爆食いと爆睡をしてしまいますw
- 食欲は2割増し
- 普段は7時間寝ればOKのところ、12時間+昼寝になる
過眠を治そうと、対策を取ってみてもストレスが溜まっている状態だとなかなかうまくことが運びません。
ダイエットとうつ改善のために5分散歩を実践していますが、痩せようと思うならさすがに5分じゃ足りませんかね…w
汗だくになりながら30分ぐらいは歩く必要があるのかもしれませんが、それじゃ続かなそうなので食事量を減らすべきでしょうな。
また、うつの処方薬によっては副作用で太りやすくもなるので、非定型うつの人はとんでもなく太るんじゃないかな?
私は20kg前後太りました。今年の夏は引きこもりましたよ…w
2.気分反応性…定型うつ病では起こりにくい「楽しいことをしているときは、うつではない」
通常のうつ病は「楽しいはずのことがあっても楽しくない」のですが、非定型うつ病の場合は「楽しいことがあると、結構楽しい」という不思議なうつ病です。
ですから、うつ病の療養期間中に、TDLに行って楽しむことも十分できてしまうという厄介なものです。
そして、また複雑なことに非定型うつ病の場合は、そういう楽しいことをして気分転換を積極的に図ることが、回復に役立つ場合も多いのです。
ですから、TDLに行くということが、一種の治療にもなりうるわけです。
つまり、職場ではうつうつとしているのに、休日にはわりとアクティブに過ごしている。
そうした姿をみて、「なんだアイツ、仮病じゃないのか」というふうに見られてしまうわけです。
私も最初に診断が降りたとき、自分を責める気持ちと体が鉛のように重たい感覚を持ちながらも、家で好きなことしてました。
罪悪感半分、爽快感半分といったところ。
定型うつ病の人だと、申し訳ない気持ちばかりが先行して、こういう感覚になるまではかなりの時間がかかるはずです。
ただ、好きなことをひたすらすることは、定型うつ病だろうが非定型うつ病だろうが、回復のために必要なこと。
≫うつから回復するきっかけは、ひたすら好きなことをすることだった
外に出ることはできませんでしたが、家でアニメをみたり、好きなお笑い番組を見て多少笑うことはできてました。
健常者時代のように、心から楽しめる! というほどではなかったですが。
それは罪悪感からなのか、定型うつ病的な要素も混じっていて、エネルギー不足が影響していたのかは判断つきません。
いずれにしても、きっぱり定型うつ病! きっぱり非定型うつ病! と別れるようなもんでもないと、体感的に思ってます。
それは症状が似ているということもあるでしょうけど、きっちり区切られているというよりはまたがっているんですよ、きっと。
3.拒絶過敏性…耐えまくって壊れた定型うつとは違い、打たれ弱さが目立つ
次の拒絶過敏性というのは、自分を否定されることへの過度な反応という意味です。
卑近な言葉に言いかえれば、「打たれ弱い」ということになるでしょうか。
厳しい上司や先輩から目をつけられてしまうと、なかなか回復できません。
そうしたところから、「メンタルが弱い」、「叱られ慣れていない」、「大人になり切れていない」といった評価を受けてしまいます。
- 小学校時代、今思えば軽度ないじめで不登校に
- 中学時代、厳しかったとはいえ半年で心が折れて剣道部を退部
- 高校時代、体育会系の校風に馴染めず転校
- 社会人、残業は多かったものの人間関係は良好だったのになぜか心折れて半年で退職
その範囲だけで考えても、私はかなりメンタル弱い。叱られ慣れてないことがわかりますw
と言われています…w
木綿豆腐より絹ごし豆腐のほうが柔らかいのです…w
4.鉛のような体の重さ
「鉛のような体の重さ」というのも、また厄介です。
「体を鉛のように重く感じている」ということは、なかなか理解されない症状です、口に出そうものなら「そんなのみんな同じ、それでも頑張ってるのよ」なんていわれてしまうでしょう。
本人は体を動かすこと自体が苦痛なのに、容易に「怠け」と受け取られてしまうでしょう。
なんだろうなぁ…なんと表現したらいいのか。
地球の重力が3倍になったと言ってもいい、うつグラビティが一番わかりやすいと思うのですが、うつ病の経験がある人にしかわからないかもw
とにかくずぅーんとしてて、首こりや肩こりもひどい。
うつが最もひどいときはベッドに押さえつけられているような感覚だった。
地球の重力が何倍にも強くなったような。
「うつグラビティ」
— ほっしー (@hossy_fe_ap)
最初は身体的なコリが原因で、うつは関係ないと思ってましたから、整体のような民間療法にめっちゃお金使っちゃいました。
病院に通うのも一苦労で、電車で4駅先の場所だったときは泣く泣くタクシーを使ってました。
若いのにタクシー使ってんじゃねえよ
なんて思われてないか心配しつつも
- 電話なしのアプリでタクシー呼べて
- 病院名を言って
- 身体を投げ出しているだけで病院につく
5.自責的ではなく、他責的傾向がある
非定型うつ病では、自責的傾向を示すこともありますが、その訴えの端々に、自分を批判的な意見を述べた人たちに対する、不平不満が見られます。
建前としては、自分自身を責めるような訴えをしておきながら、相手に対する批判的な意見がいたるところに垣間見えます。
引用しておいてアレですが、ちょっとイラッとするなぁこれ…w
ただ、感覚的にはおっしゃる通り。
定型うつの人は、ものすんごく自分を責めまくる。
と、感じるほど。 自責のレベルはとんでもないものがあります。
私のエピソードを引っ張ってくれば、休職して1〜2日ぐらいはさすがに自分が悪いと凹んでいました。
でも、労働環境や運が悪い部分もあった。決して自分だけが悪いわけじゃないと考えるようになってました。
多分、定型うつ病の人からしてみたら信じられないほどの思考回復スピードだと思いますw
ただし、引用した文にもあるように、自分を責めないこともありません。
- 自分責め30%
- 他人責め70%
「人のせいにしまくるずるい健常者」と「自分のせいにしまくる定型うつ病人」を足して2で割った感じでしょうかねw
6.気分のアップダウンが激しく、感情のコントロールが効かない。
定型うつ病でもイライラや不安感を訴えることは少なくありませんが、周囲の人たちへの迷惑を考えるため、いわゆる「キレる」という言動はほとんど見られません。
私は普通にキレますよw
家族や友人にだって、イライラしてたらキレます。
定型うつ病の場合、単にエネルギーが不足していることと、自責的なので、怒りを他人にぶつけることはありません。
ここはやっかいなポイントですよねぇ…。
双極性障害の躁状態と間違えられそう。
私も双極性障害2型だと診断がついていた時期がありましたからね。
非定型うつ病の併発しやすい病には、パニック障害がある
非定型うつ病の根底には不安が深く横たわっていることがあります。
最初は不安がパニック発作の形で出現し、徐々に非定型うつ病の病像を形成する場合が少なくありません。
私はパニック障害の診断は受けていませんが、パニック発作のような経験は何度かあります。
発作が起こる場所が超限定的なのが不幸中の幸い。
パニック体験については以下の記事に詳しくまとめているので、興味のある方はどうぞ。
メンタルの疾患になると、たったそれだけで不安傾向が強くなるので、パニック障害とまでは行かなくとも怖くて足がすくむような経験は誰でもあるものだと思います。
ここは仕方ないですな…。
診断書には便宜上、うつ病と書かれることが多い
私は時期によって、これだけの病名の可能性があると言われてきました。ただ、いずれの時期も診断書には「うつ病」と記載されています。
双極性障害じゃなかったんか? と思って、主治医に聞いたことがあるんですよ。
双極性障害ってよく知られてないし、昔の呼び名の躁うつ病は心証が悪いんだよね…だからうつ病って書いてる。
ま、こういう経験は当事者にはよくあるようです。
特に会社員の場合、変な偏見を持たれるよりは、すでに市民権を得ているうつ病と記載したほうが何かと都合がいいということなんでしょうな。
例えば診断書に
非定型うつ病(いわゆる現代うつ病ってやつです)
なんて書かれたら、会社は丁重に扱うどころか尻を蹴り上げてくるかもしれませんw
とりあえずうつ病と書いておけば、丁重に扱わなければならないと思ってくれますからね。
精神科もボランティアではないので、お客さんが不利になるようなことはしないはずです。
客観的診断方法が確立されてないので、病名にはこだわらないこと
持論ですが、病名には大した意味はないと思ってます。
気分反応性のところで、定型うつ病と非定型うつ病がまたがった関係にあるのでは? と書きましたが、この2つに限ったことじゃない。
- 双極性障害
- 気分変調症
- 非定型うつ病
- 定型うつ病
- 境界性パーソナリティ障害
症状として似ているなぁ…と感じる病気はこれだけあります(ほっしーが本を読んだ調べ)
客観的な診断方法がない以上、私たち患者が気にしても仕方ないんですよ。
うつ病について、病気なのか?甘えなのか?で誰もが揺れ動く責任は全て客観的診断方法がない医学のせいだと言っていい。
「○○値が高いので、うつ病ですね。」みたいな証拠となるものがあれば、詐病かどうか疑う必要もないわけで。
— ほっしー (@hossy_fe_ap)
結局、何病だって、メンタル疾患ならやることは同じです。
- 日常生活の見直し
- 認知行動療法などで思考の改善
- 小さな成功体験を重ねて自信をつける
私は自分のうつを寛解に持っていくのに、人生に小さなステップを設けました。
あなたも、自分のやれることをやれる範囲で少しずつこなしていってくれればなと思います。
無理せず自分のペースで、病名に振り回されず。
うつ病と診断されていても、一般的なうつの症状とはなんか違うことがあるんだよなぁ…。
もしかして、うつじゃなくて甘えなんじゃないのか?